本日もまた冒頭は整理している食器棚からの作品の紹介です。
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なんどか引っ越しているうちに、ガラクタは処分し、使わないものは男の隠れ家に収納され、手元に遺っているのは気に入った普段使いの皿・・。
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図柄の良い作品など要は本当に気に入ったものだけが遺ったのですが、家内の家族と住むようになり、息子が生まれて家族が増え、数が多い揃いの作品を食器として使うようになってきたので、だんだん使わなくなりました。
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その間には、実家の会社をたたんで整理した際に抵当で住む家を失い、また多くの身内を失ったことなどの悲しい思い出もありますが、それでも購入した時から現在までの思い出の作品です。
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普段使いの作品にはいいにつけ、悪いにつけ、思い出が蓄積されていくものです。せっかくの思い出が蓄積されるなら、金銭的許せる範囲で気に入った作品を使うのがいいのでしょう。
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悲しい思い出が多いなら捨てるのも思いきりが必要ですので、もったいない作品のほうが捨てたら悲しい思いから振り切れるものです。
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蒐集作品とはそういうものです。
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蒐集作品を金銭に変える時もそんなものです。もう二度も蒐集はすまいと思うか、もっといいものを次は集めてやると思うか・・。
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今は古伊万里の作品は値段が下がり、いいものも安く入手できるようになったようです。
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古伊万里を蒐集している人はたくさんいたのですが、今はどうなのでしょう？
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骨董市ではいい作品はみかけなくなりましたが、ネットオークションには「おっ」と思う作品が出品されています。
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初期伊万里、藍九谷なども見る眼さえきちんとしていれば、今では蒐集は昔ほどたいへんではないでしょう。
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ただ家族が少なくなった分、揃いで集める必要はないもしれませんね。
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寿命が長くなった分、気に入った作品を食器には使いたいものです。
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さて本日は修復された作品の紹介です。表具が痛んでいたり、シミがあったりすると台無しなのが美人画・・。日頃からの手入れが大切なので随時補修したりしています。
まずは表具のバランスが悪かったので作品の天地を寸法直しした作品です。
立美人図 岡本大更筆 大正10年（1921年）頃
絹本着色軸装 軸先蒔絵 誂箱 →天地交換
全体サイズ：縦1930＊横565 画サイズ：縦1290＊横415
２０２０年１月天地改装→全体サイズ：縦2060＊横565 画サイズ：縦1290＊横415
この作品は表具の「天」の部分が極端に短い。これは自分の家の床の間に高さがないためにこのような寸法に表具したのではないかと推測されます。
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上下の写真は天地交換する前の写真です。撮影はそれ相応に撮影していますので目立ちませんが、明らかに表具のサイズがおかしい・・。これは掛け軸を見慣れている人には分かるものです。
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天の部分を標準的な長さに直した後です。
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このような直しはこだわりかもしれませんが、ちょうど天の部分が痛んできていたので痛みの観点からもタイミング的によかったかもしれません。
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床の間は高さがあるほうがいいのです。マンションはむろん一戸建てでも昔の家に比べて階高が低いのが難点です。天井を高くするとか、極端でありますが天井をなくすくらいの計画が必要でしょう。
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保存箱もきちんとしておきましょう。太巻きにするかどうかは使われている画材によりますが、本作品は太巻きまでする必要はないでしょう。
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そこで次は保存箱のない作品への太巻きの保存箱の対応です。
涼風美人図 大林千萬樹筆
絹本着色軸装 軸先木製朱塗 誂箱
全体サイズ：縦1410＊横660イズ：縦398＊513
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キチンとした優品でも保存箱のない作品はたくさんあります。箱が無くなった作品もあれば、もともと箱など無かった作品もあります。
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ただ美人画にはとくに保存箱は必要です。
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絵の具が痛まないように太巻きにすると巻きシワも防げて、絵の具の剥落もある程度防止できます。
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次はちょっとして表具の浮きへの対応です。
梅下美人図 三木翆山筆
絹本着色金泥軸装 軸先塗 誂箱
全体サイズ：縦1290＊横540 画サイズ：縦400＊横430
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基本的に表具の糊は将来剥がすことが前提ですので、化学糊は使用していませんので、接着力は時間とともに弱くなります。巻によって特に一文字部分などが浮いてきます。この状態で少し糊を挿して浮きを直しておきましょう。くせがつくとなかなか治らなくなります。
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掛け軸は虫干しもさることながらときおり飾ってみることです。空調管理して湿気を抜いてあげることも必要ですし、巻きシワを直してあげる効果もあります。
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本作品は太巻きの保存箱を誂えました。太巻きはなにも無理して二重箱にする必要はありません。タトウを誂えるだけで充分でしょう。
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掛け軸の飾る時間は長くても一か月・・・。それ以上は長く掛けて置いてはいけません。
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図柄の良い作品など要は本当に気に入ったものだけが遺ったのですが、家内の家族と住むようになり、息子が生まれて家族が増え、数が多い揃いの作品を食器として使うようになってきたので、だんだん使わなくなりました。
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その間には、実家の会社をたたんで整理した際に抵当で住む家を失い、また多くの身内を失ったことなどの悲しい思い出もありますが、それでも購入した時から現在までの思い出の作品です。
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普段使いの作品にはいいにつけ、悪いにつけ、思い出が蓄積されていくものです。せっかくの思い出が蓄積されるなら、金銭的許せる範囲で気に入った作品を使うのがいいのでしょう。
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蒐集作品とはそういうものです。
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蒐集作品を金銭に変える時もそんなものです。もう二度も蒐集はすまいと思うか、もっといいものを次は集めてやると思うか・・。
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今は古伊万里の作品は値段が下がり、いいものも安く入手できるようになったようです。
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古伊万里を蒐集している人はたくさんいたのですが、今はどうなのでしょう？
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骨董市ではいい作品はみかけなくなりましたが、ネットオークションには「おっ」と思う作品が出品されています。
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初期伊万里、藍九谷なども見る眼さえきちんとしていれば、今では蒐集は昔ほどたいへんではないでしょう。
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ただ家族が少なくなった分、揃いで集める必要はないもしれませんね。
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寿命が長くなった分、気に入った作品を食器には使いたいものです。
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さて本日は修復された作品の紹介です。表具が痛んでいたり、シミがあったりすると台無しなのが美人画・・。日頃からの手入れが大切なので随時補修したりしています。
まずは表具のバランスが悪かったので作品の天地を寸法直しした作品です。
立美人図 岡本大更筆 大正10年（1921年）頃
絹本着色軸装 軸先蒔絵 誂箱 →天地交換
全体サイズ：縦1930＊横565 画サイズ：縦1290＊横415
２０２０年１月天地改装→全体サイズ：縦2060＊横565 画サイズ：縦1290＊横415
この作品は表具の「天」の部分が極端に短い。これは自分の家の床の間に高さがないためにこのような寸法に表具したのではないかと推測されます。
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天の部分を標準的な長さに直した後です。
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このような直しはこだわりかもしれませんが、ちょうど天の部分が痛んできていたので痛みの観点からもタイミング的によかったかもしれません。
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保存箱もきちんとしておきましょう。太巻きにするかどうかは使われている画材によりますが、本作品は太巻きまでする必要はないでしょう。
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そこで次は保存箱のない作品への太巻きの保存箱の対応です。
涼風美人図 大林千萬樹筆
絹本着色軸装 軸先木製朱塗 誂箱
全体サイズ：縦1410＊横660イズ：縦398＊513
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キチンとした優品でも保存箱のない作品はたくさんあります。箱が無くなった作品もあれば、もともと箱など無かった作品もあります。
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ただ美人画にはとくに保存箱は必要です。
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絵の具が痛まないように太巻きにすると巻きシワも防げて、絵の具の剥落もある程度防止できます。
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次はちょっとして表具の浮きへの対応です。
梅下美人図 三木翆山筆
絹本着色金泥軸装 軸先塗 誂箱
全体サイズ：縦1290＊横540 画サイズ：縦400＊横430
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基本的に表具の糊は将来剥がすことが前提ですので、化学糊は使用していませんので、接着力は時間とともに弱くなります。巻によって特に一文字部分などが浮いてきます。この状態で少し糊を挿して浮きを直しておきましょう。くせがつくとなかなか治らなくなります。
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掛け軸は虫干しもさることながらときおり飾ってみることです。空調管理して湿気を抜いてあげることも必要ですし、巻きシワを直してあげる効果もあります。
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本作品は太巻きの保存箱を誂えました。太巻きはなにも無理して二重箱にする必要はありません。タトウを誂えるだけで充分でしょう。
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掛け軸の飾る時間は長くても一か月・・・。それ以上は長く掛けて置いてはいけません。