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Channel: 夜噺骨董談義
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葡萄図-7 天龍道人筆 その15

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昨日はJ1昇格を決める徳島の応援のために国立競技まで同僚達と観戦してきました。



国立競技ではあと何回試合が観戦できるか解りませんね。



2-0で快勝 

国立競技場はやはり古い。交通の利便性以外は小生が関わった宮城スタジアムがデザイン性、施工の難易度など数段上と思うのですが・・。

さて天龍道人の遺作には人物画や山水画が多くありますが、やはり葡萄図が数、質ともに群を抜いていまるように思えます。その「葡萄図」の作品の七作品目の投稿です。

山水画は風趣に欠け、鷹の図はどちらかというと稚拙と思えてきました。かえって長崎派の影響を受けている鯉や虎の絵の方が軽妙洒脱で面白味があります。


葡萄図-7 天龍道人筆
紙本水墨軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1940*横683 画サイズ:縦1312*横565




「七十有四歳天龍王瑾写 押印」とあり、1788年(天明8年)頃の作品と思われます。70歳の頃から天龍道人と銘するようになったようですが、その当時の作品で興味深いものです。

 

印章は「天龍道人」と「一号観自在」の白文朱方印の累印を用いています。「一号観自在」・・??、どのような意味の印章なのでしょうね?



天龍道人には印譜十四巻二千の印があったが、空襲の際に惜しくも焼失しています。なんと2000種類の印章ですよ。



74歳頃が一番旺盛な頃と評されており、75歳前後に製作した遺作が非常に多いようです。



葡萄図(蒲桃図)は80歳を境にしてその前後にて作風が変化し、前者は滋潤のごとくみずみずしい作風に対して、後者は枯淡に域に達していると評されています。その最晩年の作品は後日に投稿しますので、比較してみたいと思います。



墨のよるみずみずしい表現は伊藤若冲のものとはまた違った表現力があります。



基本的には写実を基本とした描き方であると本人が自負するようにそこには現実味のある葡萄が表現されています。



表具の痛みがひどく、軸先が片方がとれて無くなっています。いずれ本作品も改装が必要ですね。

先日、山水画の作品がネットオークションに出品されていました。なかなかの山水画でしたが入手はかないませんでした。




天龍道人が76歳の作品で本作品とほぼ同時期の作品です。印章も同一のものが押印されています。



天龍道人の山水画としては秀逸の作品化と思います。



葡萄の作品とどちら? と問われるとさて皆さんはどちらがお気に入りでしょうか?

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