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Channel: 夜噺骨董談義
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忘れ去られた画家 秋景山水図 十市石谷筆 その3 

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暑くなってきたこの季節こそ、床の間なり、ちょっとした壁のスペースの山水画でも飾ってみませんか? 子供の頃に遊んだ山や川・・、もしくはキャンプに行った自然を思い出し、愉しいひと時を思い出す・・、そんな時間が都会で暮らす我々には必要だと思います。

山水画・・、いわゆる南画の作品がいいと思いますが、いい作品でも数千円で購入できますよ。ちなみに本日の作品もそのようなお値段です。

秋景山水図 十市石谷筆 
紙本水墨 軸先木製 鑑定箱入
全体サイズ:縦2000*横580 画サイズ:縦1060*横435



印章は「石翁」の朱文白方印が押印され、落款には「己酉秋日石谷冩」とあり、嘉永2年8(1846年)に描かれた作品であると推察されます。十市石谷が53歳の作となります。


 

箱書きには「十市石谷先生水墨山水図」と表に署され。裏には「三東□□養神窟主青石樵□題簽」とあります。

「青石」愛媛は愛媛県出身の南画家である野田青石であろうかと推察されます。

石谷の写生は椿椿山円山応挙もその右に出るにあたわずと褒めたたえられたそうです。かの田能村竹田も彼の模写をなんとしても見たくて、本人に無断で持ち出した逸話が伝えれています。



野田青石:(せいせき、1860〜1930年)。愛媛県八幡浜市古町の庄屋で生まれ、大分県や京都府で柔らかな筆遣いなどが特徴の南画を学びました。同市出身で臨済宗の高僧西山禾山(かざん)和尚から禅の教えを受けたことでも知られています。



南画を解る人は皆無に近い状態になりつつありますが、作品を選ぶときには自分の感性で選ぶことです。著名な画家の作品は避け、金銭欲や真贋は抜きにして、自分がこれはいいと思うものを選ぶことです。飽きてきたら、またひとつ・・、自然にいいものが入手できますよ。


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