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気になる作品 青釉碗 伝ルーシー・リー作

12月26日の日曜日の夕刻の6時少し前、近所の校庭から花火が突然打ち上げられました。祭りが中止になり、花火もコロナ感染者が関連するメンバーが感染したことで中止になっていました。コロナ騒ぎで沈んだ気持ちを少しでも元気づけようとする意志の人間は常にいるようです。心強いではありませんか・・。

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さてバーナード・リーチと親交も持った女性陶芸家にルーシー・リーがいます。日本では知っている方は少ないかもしれませんが、根強い人気を持つ世界的に著名な陶芸家です。

*最近ではルーシー・リーの特徴を備えたでちょっとした花器でも100万円を超えることがあります。

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気になる作品 青釉碗 ルーシー・リー作
誂箱
口径127*高台径*高さ75

茶席に使えるような器ではありませんが、向付程度なら使えそうな器ですね。

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ルーシー・リーの略歴は下記のとおりです。

ルーシー・リー(Dame Lucie Rie):1902年3月16日 ~1995年4月1日。20世紀後期のイギリスを拠点に活動した、オーストリアのウィーン出身の女性陶芸家。本名はルツィエ・ゴンペルツ (Luzie Gomperz)。大英帝国二等勲爵士 (DBE)。

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イギリスを代表する陶芸家であったバーナード・リーチと親交がありますが、電気式陶芸窯から生み出されるその軽く薄い作風に対しては、強い火と土窯から生まれる日本風の重厚なものに強く傾倒していたリーチからは手厳しい批評を得ることとなり、以後、芸術面に経済面も加えて大いに苦悩することになります。

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ルーシー・リーが当時を回想するに「キャベツの日々だった」、すなわち、キャベツばかりを食べる、お金の無い日々であったと述べています。

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しかし、独自の方向性を大きくは変えることなく模索を続け、やがて、象嵌や掻き落しによる線描や釉薬、緻密な成分計量に基づく理論的工法などによる独特の繊細かつ優美な作風を確立しており、リーチものちにこれを認め、推奨するまでになっています。

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本作品は初期の頃の作と推定しています。青釉、フォルムが特徴的ですし、見込みにある窪みが面白い。

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サインは独特なサインで「RL」が記されています。本作品では不明瞭ですが、「RL」と高台内に刻銘されています。

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底を拡大して参考作品と比較してみましょう。

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思文閣掲載作品「線刻文花器」の説明は下記のとおりです。

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日本の侘びの世界と理論的工法の端境期の頃の作品ではないでしょうか? ひとつの作品くらいは所持していたい陶芸家ですね。

さて、来年はどんな年になるでしょうか? 少しでもいい年になることを願わずにはいられませんね。

今年一年、拝読いただきありがとうございました。それではよいお年を・・。

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