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お気に入りの食器 李朝 彫三島手小碗

書斎のクロークは照明器具が付き、ようやく完成間近となりました。ソフト巾木は気に入らずに小生の注文で木製巾木に交換です。

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奥には大人一人がゆっくりと眠れるスペースがあります。あとは棚の取り付け・・。

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さて本日紹介する作品は、李朝らしいのですが、実は時代不詳でありその確証はありません。大きさが小服茶碗とするにも小さく、盃かもしくは酒の肴用の皿かという大きさですね。また口縁に一か所だけ金繕いの補修跡のある作品ですが、文様の出来、形の良さから気に入って入手した作品です。

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李朝 彫三島手小服茶碗
合箱
口径110*高さ40*高台径

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一般に三島手(茶碗)と称される作品は、高麗茶碗の一種で、李朝初期15~16世紀の慶尚南道で焼かれたとされ、高麗の作品中では雲鶴に次いで古いと考えられています。むろん後世において数限りなくこの手の作品は模作されていますので、あくまでも発祥としてのことです。

鉄分が多い鼠色の素地に、印や箆や櫛で紋様をつけ、白土の化粧土を塗った後、削り又は拭き取り仕上げをし、長石釉や木灰釉を掛けて焼成した白象嵌の陶器で、別名では「暦手」とも呼ばれます。

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三島の名前は、その文様が、伊豆国三嶋明神(現三嶋大社)で版行された摺暦(すりこよみ;木版印刷)である「三島暦」の仮名の崩し文字に似ていることから「みしま」「こよみ」などと呼ばれたというのが通説となっています。

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*三島手には、「礼賓(らいひん)三島」、「古三島」、「三作(さんさく)三島」、「彫三島」、「御本三島」などがありますが、この各々については本ブログの別の記事にて紹介されています。

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この作品はというと「彫三島」に属すると思われますが、「彫三島」は慶長年間(1596-1615)初めに始まったとされる古田織部の意匠による日本からの注文品で、見込みだけに花紋の押し型を用い、見込み周辺や外側は箆で略紋を施してあるのが特徴とされます。

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口径が110mmという小振りな作品なので、盃か小皿としての使用が妥当なようで、あえてなんとか茶碗として用いるなら夏用の小服茶碗サイズですかね。あと口径が1センチでも大きいならさぞ使いやすい茶碗であったろうと思います。ただ見込みの出来が秀逸です。

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口縁に金繕いが施されてきますが、あくまでも制作された時代は不詳です。

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仕覆や時代箱に収納されています。

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それなりに珍重されてきた作品のように推測されます。

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古い「三島」という箱書きにこの書体が多いですね。

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床にはお気に入りの絵を飾り、膳にはお気に入りの普段使いの食器を誂えるのは骨董蒐集を趣味とするものの特権であり、醍醐味ですね。

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それほど高価でもない気軽に使える器として揃えています。

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あとは皿・・・、やっぱり伊万里かな? 

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