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Channel: 夜噺骨董談義
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明末呉須赤絵 草花鳥文五寸皿 

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作品の良し悪しに迷っている作品はだいぶ淘汰されましたが、まだ捨てきれない作品はときおり飾って自問自答・・。下記の作品もそのひとつです。



模作なら模作として割り切ってしまえばいいと思う面もあるのですが、蒐集する者はそう簡単には割り切れない面もあるのです。



月光燈影図 伝寺崎廣業筆 明治32年(1899年)頃
水墨着色絹本軸装 軸先象牙 合箱 
全体サイズ:横696*縦2180 画サイズ:横493*縦1270

 

月の光と蝋燭の光の対比、髪などの人物描写、手や琴の木目、着物の柄、草花などの表現・・、ただ観るのみ



このレベルの作品にはこだわらず、もっときちんとした作品を蒐集するという割り切り方もあるでしょうが、それはそれでその方向性は維持しながら、やはりちょっと気になる作品なのです。



入手した当時からちょっとシミや胡粉部分の絵の具の剥落が生じていますが、シミ抜きや色の補修を施すほどの段階でもなく、そこするレベルの作品でもないということは判断がついています。



ただ天地交換と太巻き程度はしておこうかと・・。そのための判断としてこの作品のレベルはどの程度かと迷っている次第です。



「月光燈影図」という本歌の作品は、寺崎廣業の初期の代表的な作品です。真作ならこの作品はその土台となる作品か、もしくは所望されて本歌の後に描いたのか? 本歌の後としても落款からかなり近い時期ということになります。さらにこの時期の寺崎廣業の作は不安定でまだまだ未熟な部分が多々あります。



偽の作品(もしくは模写、贋作)かということになりますが、かなりの技量のあった画家の作となります。



寺崎廣業の贋作はかなりの数がありますが、当方ではすぐに判別がつくものばかりです。この作品のように描き方、落款、印章は80%は真作と判断できるものは珍しいのです。



資料として遺しておくことには迷いはないのですね。ただ後世に対して、どのような作品として伝えるか?



当方で寺崎廣業の作品として判断に迷っている作品はこの作品のみです。

*本ブログで紹介した寺崎廣業の他の作品では1点だけ真作から贋作に判断した作品があります。
他の郷里出身の画家では、福田豊四郎の作などには当方では判断は間違えないのですが、難しいのは平福父子、とくに平福百穂の作品の真贋の判断は、釧雲泉ほどではないにしろ非常に紛らわしいものです。



むむ~、捨てがたい

さて本日の作品紹介です。

明末呉須赤絵の作品は五寸皿から七寸皿、さらには40センチ近い大皿にしろ、基本的にその図柄の面白さが真骨頂です。この面白い図柄の作品というのは意外に少ないものです。



明末呉須赤絵 草花鳥文五寸皿 
口縁金繕 補修跡有 誂箱入
全体サイズ:口径172*高台径*高さ32



明末呉須赤絵は一般的な赤絵意外に、青の配色の作品や中央に「天下一」と記された作品、餅花手のように一風変わった趣向の作品など様々の作品が大量にあります。



ただその面白さの真骨頂は抽象的で面白いその図柄にあります。



いくら無傷できれいでも、大きさいくら大きくてもその図柄がどこにでもあるような作品は面白くありませんね。



この作品も補修跡などがありますが、おそらく鳥を描いた本作品はその面白さが十分伝わってきます。



作品は実に雑な作りですが、この図柄は日本からの注文品かもしれません。明末呉須赤絵の中皿程度の大きさの作品はそのほとんどが草花文様で、つまらない作品が多いのですが、このように鳥を描いた出来のよい抽象的な作品は観ていて楽しいものです。



割れの補修跡のある作品は綿やクッション材にてキチンと保管しておく必要があります。



多くの保管箱となると、混同しないように保管されているのがどのような作品か中身がすぐに解ることが必要です。



蒐集した作品をただ積み上げていたり、人目につくところに雑然と放置している方は蒐集する者として失格でしょう。

*明末呉須赤絵の作品は日本での江戸期末期から犬山焼などの模倣作品には注意しましょう。また清朝に時代が下がった作品は出来ととも評価もかなり下がりますので蒐集対象からは除外しましょう。この傾向は源内焼に似ていますね。明治期の源内焼の再興源内焼、近代から現代での模倣作品というのと比較できますが、これはどの焼き物でも似た傾向にあって、その見分け方は絵画ほど難しくありませんが、蒐集の初期段階では蒐集する者を悩ませますね。





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