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Channel: 夜噺骨董談義
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旧家保存 その1 旧家見学

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マタギの里である阿仁からの帰りに8月の13日〜15日まで見学できる北秋田市内の旧家があることを知り、翌日の墓参りのついでに見学してきました。



広大な敷地に一部2階建ての築180年の建物です。地元の有力者であった方の建造物で北秋田市の文化財になっているようです。



10年ほど前?までは人が住んでいたそうですが、その後空き家のまま放置され、最近になってようやく見学できるようになったそうです。

ともかく痛みがひどく、屋根などはすぐに補修しないと雨漏りがするというか、今年の積雪時には崩壊しかねない状況と判断しました。基礎部分も一部は下がってきています。どうしてここまで放っておいたのかと疑問に思わざるえません。



外部は補修するにしてもタイミングを失しているように見受けられ、かなりの費用と手間をかけないと維持できないと思われます。

藩侯が入るという玄関、簾は家紋入りで立派ですが、ここだけ立派でも物悲しい気がします。



内部は意外としっかりしていますので、手入れをするならこれ以上痛まないように今しかないというタイミングですね。



人が住まなくなり、というより今では寒くて住めないのでしょう。トイレ、風呂、台所という設備系が整備されてないと人は住めません。

縁側のケヤキはお見事・・。



この建物は費用対効果で遺す必要があるかどうかの判断も必要です。客観的にみると遺す要性はないようにも思わますが、地元の方々の思いもあるでしょう。

文化財として残すとどうしても過去のまま残すということになりますが、手入れはどちらかというと疎かになりがちです。旧家が文化財に指定になるのはいいことばかりではないように思います。



文化財として残すよりも、個人で手入れして住みながら残すのが良かったように思います。人の住まなくなった家は実にかび臭い匂いがします。失礼ながら私には家の死臭のように感じられます。なんとか生き返らせたいもんですが・・・。

文化財として残すなら最小限として母屋部分(座敷部分とその周り)だけにして残すのも方策のひとつです。それでも結構な修理費、維持費がかかるようにみてとれました。

遺すならそれなりの資金が必要ですね。ふるさと納税でお金を集めて徹底的に直すのも一考かと・・。建築の知識と今後の運用を考えた企画能力のある人が地元にいたらいいですね。

歴史があるという過去のプライドだけでは遺っていけないのでしょう。文化財ということがかえって拘束にならないことを願います。見学まで漕ぎ着けた人々の労力が報われることを祈るばかりです。


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