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リメイク 刀鍔蒔絵印籠 水谷秋登甫作

本日の印籠は家内の実家の駐車場を片付けて見つけた作品です。

刀鍔蒔絵印籠 水谷秋登甫作
根付:硝子徳利(珊瑚玉付) 幅*奥行き*高さ
四段重螺鈿高蒔絵 桐箱入 縦*横*高さ 底銘

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水谷秋登甫は江戸時代の漆芸師です。活躍した時期は江戸期寛文年間より寛保年間で尾形光琳や小川破立らの活動時期と同じです。

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立翁細工:小川破立が蒔絵に鉛・金・銀・銅・鉄・陶器片・象牙・ギヤマン(硝子)など、多種多様な美しい異物を混然と嵌入して、時にはその上にさらに蒔絵を凝らすという、独自のいわゆる一種の蒔絵破笠細工(笠翁細工)を生み出し、派手好みだった当時の人々に大歓迎を受けています。

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鉛の使用は本阿弥光悦らにもみられますが、作風は光悦の侘び寂びとした純和風に対し、かなり異国風(中国趣味)が感じられます。

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ただし当時から人気作家だったので、本人が手がけた作品以外にも彼の工房製、つまりは弟子の手による作品も「破笠細工」として流通しています。

刀の鍔をでデザインした印籠も非常に珍しいですね。刀剣にも縁のある当方では嬉しい限りの作品です。

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近代になって、欧米でも評価が高くなったことにより、輸出目的で製造された明治以降の職人の手による「破笠風に作られた新作」も多いとされます。幕末の漆芸家柴田是真もしばしば破笠写しの作品を作り、外国人観光客に売っていました。小川破立・水谷秋登甫・野村九国・野村摴平・三浦乾也・貞二などの作品に見られることから、本作もそのひとつでしょう。

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根付は水晶のようです。根付は車庫には煙草入れにもありました。

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この福禄寿の根付は普通は玉の部分に骸骨(しゃれこうべ)・・・。

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銘は特にありませんが、「しゃれこうべ」が面白い・・。

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納戸から車庫から、興味さえあれば宝の山ですが、知識がないとただのガラクタとして処分されていたでしょう。

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日本人が日本人の文化を語れなくなって久しいですが、その改善はまだ見られていないのは残念です。

*碌に勉強もせず、経験がないままにアメリカに渡ってすんなりと学芸員になるなんて考えが甘い。



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