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再整理 浜田庄司 黒釉灰釉掛合 六角花立 その2 & 地釉鉄絵茶碗 

展示室にある茶室の障子を夏用に替えてみました。
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もともと実家にあったものですが、母が物置にしまっておいたものを東京の自宅の離れに茶室を設けた時に転用したものです。本家でも祖父が作らさせたものを使っていたので、分家の実家にも作らさせたものなのでしょう。実家の座敷に使っていました。細かい竹は少し痛んでいますが、まだまだきれいです。また下部が開閉するなど凝った作りになっており、風通しのよいものになっています。
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上部は涼しげの細工になっています。東京の木場にある古民家解体材のストックにも同じような夏用に障子が見受けられましたが、現代でも実際に使っている住宅は数少ないでしょうね。
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庭側は6本引きの障子とし、戸袋に夏用と冬用の障子が3本ずつ内蔵されています。男の隠れ家にはまだ数本の夏用の障子が遺っていますので、そのうちまた新築する時や改装時には使ってみようと思っています。
縁側に付けた簾とのマッチングがお洒落になるように意図しています。今度はサッシュを折り戸にしてフルオープンできるようなものにしたいですね。
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タワーマンション志向の強い現代ですが、本来住宅は一戸建てが一番というのが小生のモットーです。建築に関するいろんな知識と経験がないといいものは作れませんね。障子などをとってもいろんな知識、経験が必要なのです。それとメンテ方法も・・。この障子はもはや100年以上経過しているものです。
茶室の入り口は戸袋が設けられなかたので、季節により交換していますが、次は戸袋を設けようと思っています。
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躙り口にはアコーディオンカーテン、天井の見切縁にはアクリル棒など現代の材料も使うなど古いものだけではない発想も大切ですね。
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さて本日は休日に投稿を継続予定である浜田庄司の作品においてのリメイクされた投稿、その第2回目となります。
陶磁器の箱には整理する際に必ず中身が解るようにしておくとよいでしょう。
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たくさん箱があって、中身を見ないと作品が解らないというのは実に不便であり、IT時代の現代ではありえません。QLコードでもいいし、すぐにデータまで解るようにしておくのが今流ですね。古いものに現代の知恵を使うのが賢者のすること・・。
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本日紹介する作品は前回に引き続き六角花立(その2)の晩年の作です。
黒釉灰釉掛合 六角花立 その2 浜田庄司作 (花入 その10)共箱全体サイズ:幅101(90)*奥行き92(90)*高さ196
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抜群の釉薬の掛け合わせの妙ですね。
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丸い花入れなどによくある浜田庄司の手法ですが、六角になることで景色に面白味が加わっています。
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この点が型による作品でありながら、他の同じ大きさ手程度の花入(花立)より評価が高いものです。
*現在はこの手の作品は現在は数万円で入手できます。20年ほど前なら20万円、その後は10万円ほどでしたが・・。ただ晩年の作、景色の面白いものを選んだほうがいいでしょう。
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さらに六角花立には門窯による作(浜田庄司自身の作でないもの)と浜田庄司自身によるものと2種類あるように思われます。
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この作品は共箱からも自身の作に相違ないですね。
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この作から浜田庄司の釉薬を覚えておくと、自然に贋作との区別がつくようになります。
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ただしこの釉薬の凄みは晩年の作からですので、若い頃の作との判別はもっと難しくなります。
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若い頃の作品は他の益子焼の同じような釉薬でありその判別は難しいというより、ほぼ不可能に近い。怪しいと思ったら手を出さないほうがいいでしょう。
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当方での整理では箱のカバーの和紙、説明書を入れる封筒などは銀座の鳩居堂から購入しています。これはこだわり・・。
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整理にもこだわりましょう・・・。
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整理が雑なのは作品そのものの品位にも関わりますが、作品の取り扱いが雑だと、その仕草ひとつでその蒐集者の品位が不思議と現れるもののようです。
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箱から中身を取り出す仕草、箱の収納する振る舞いひとつでその作品の真贋、その所蔵者の真贋まで読めてしまうのは怖いですね。
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さて次は浜田庄司の鉄絵と思われる茶碗の作品です。この作品は前述したように「怪しい」作品です。
地釉鉄絵茶碗 伝浜田庄司作(茶碗 その12)=浜田庄司作:「茶碗 その12」 「鉄絵茶碗 その4」杉共箱?口径約142*高さ87*高台径約
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出来はどうだろう? このような作品を果たして浜田庄司が作ったであろうか?
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はたまた初期の作か? 前述のように判別が難しくなります。たとえば箱は本物だが、中身はすり替えられていることも浜田庄司の作品では疑うことが必要です。
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よってこの作品は「伝」とします。浜田庄司の当方の所蔵作品では珍しく「伝」(2作品あります)として分類している作品です。
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浜田庄司の作品はあくまでも作品自体で判断しますが、銘がないので解りにくいという点はたしかにありますね。
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共箱の印が贋作では通常は朱肉の色が違います(後日説明予定)。朱肉の色がどす黒いのは浜田庄司が独特の朱肉の種類を用いているためですが、いつ頃かは解っていませんので、それだけの根拠では初期の作品を贋作とする危険性をはらんでいます。
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そして一番厄介なのは共箱と中身がすり替えられることで、都合の悪いことに二つの作品が生まれることです。中身は共箱は無くても真作で通用しますし、子息の浜田晋作の鑑定箱に収まると間違いのない真作となってしまいます。かたやもうひとつ、本物の共箱に収まった贋作も生まれることになります。
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浜田庄司の窯や技術は弟子の島岡達三、子息の浜田晋作、そして孫の浜田友緒と続いていますし、益子焼には浜田窯の釉薬の製造方法も伝わっているでしょう。よって釉薬からの判断も徐々に怪しくなってくる・・・。
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この程度の作品がインターネットオークション上でたくさん出回っていますので、油断も隙もないのが骨董の世界です。ただ今では花入れもそうですが、真作の浜田庄司の鉄絵程度の茶碗ならお値段も数万円程度のものになっていますので、大騒ぎする必要もないのですが・・。

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