蓬莱神仙山図　篁牛人筆　昭和２０年代

最近なにかと縁のある篁牛人の作品紹介です。
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蓬莱神仙山図　篁牛人筆　昭和３０年頃紙本水墨着色軸装　軸先骨　合箱　全体サイズ：横657＊縦2075　画サイズ：横470＊縦1423改装の必要あり
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この頃の篁牛人の制作時期は画集では第2期：1949年（昭和24年　48歳）～1965年（昭和40年　64歳）と整理されています。
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この時期の篁牛人の作風は彩色画の時代と言えます。昭和20年以降は経済的に困窮し、麻紙を入手することができなくなり、そのために篁牛人は水墨画の制作をやめ、粗末な紙に著色の日本画を描くようになります。
本作品はまさしく「粗末な紙」、「著色の日本画」と言える作品ですね。
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賛には「蓬莱神仙山　越中住□□山□　篁牛山人作　押印」とあります。
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この時期に描いた篁牛人に作品は伝統的な日本画ではなく、ピカソ、ルソー、ブラマンク等の近代西洋画の画風を大胆に取り入れた斬新な作品が主でした。
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時には自らが楽しみとして、心の慰みとして即興的に、また新しい芸術への試みとして彩色画を描き、やがて亜流でない彼独自の画風を確立した時期ともいえるのでしょう。
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この時期を経て支援者が現れて、再び麻紙に渇筆にて作品を描き始めます。後期渇筆画という第3期に区分される最盛期の期間へと移行します。
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第2期には酒代のために売る絵を数多く描き、北陸地方には時期を描いた作品が数多く遺っているようです。
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作品中の印章は下記のとおりです。真印と一致しています。
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ありきたりの蓬莱山図という画題の作品ですが、挑戦的な色彩の興味深い作品となっています。渇筆の代表的な作例の作品ではありませんが、貴重な作品のひとつには相違ありません。