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Channel: 夜噺骨董談義
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氏素性のわからぬ作品 双蟹之図 藤田嗣治筆 昭和13年頃

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さて本日は本ブログにて幾つかの作品を紹介している我が郷里になじみの深い藤田嗣治の作品紹介ですが、とくに今回は陶芸で縁があった平野庫太郎氏の本家筋にあたる平野政吉とも関連のある作品のようです。


氏素性のわからぬ作品 双蟹之図 藤田嗣治筆 昭和13年頃紙本水墨デッサン額装 平野政吉(旧蔵?)シール額寸:縦638*横700 画サイズ:縦450*横505


やはり藤田嗣治の水墨画はうまい・・。


ここには筋目書やたらし込みの技法はほとんどありませんが、おそらく面相筆で描きあげた透明感のある作品となっています。


うっすらと数本の下書きはみられますが、一気に描かれています。


小動物や魚類を描かせたら天下一品・・。


本作品中の落款とサイン、手印は下記写真の左です。
下記写真右(青の印)は当方の所蔵作品「提灯と虫 藤田嗣治筆」(紙本水墨淡彩 唐文様額装 色紙サイズ 東郷青児鑑定 平野政吉旧蔵 真作)です。ほぼ同時期の作と推定されます。
*なお「提灯と虫 藤田嗣治筆」は平野政吉と縁があった方から直接入手している筋の良い作品です。
戦前・戦後直後の作か・・??
 
額はガラスやアクリル板のない状態で当時のうぶな状態のままです。つまり絵がむき出しのまま・・。当時の和風の額装はそのようなものが多いですね。軸装の延長のように額装を考えていたし、ガラス代金も高かったのでしょう。


表面保護にアクリル板を入れる必要がありますし、額の裏面の破れの補修の必要がありそうです。額裏面にある「平野政吉」のシールはそのままとっておく必要がありますね。


下記写真右(青の印)は当方の所蔵作品「提灯と虫 藤田嗣治筆」(紙本水墨淡彩 唐文様額装 色紙サイズ 東郷青児鑑定 平野政吉旧蔵 真作)の裏面にあるシールです。本作品のシールは下記写真に左(朱肉)です。このシールは用途は不明ですが、朱肉によって赤、青、黒もあります。大きさと印影は真印と一致します。
 
入手時は前述のように表面にガラスの保護もなかったので、当方でアクリル板やタトウを誂えています。裏面の補修は依頼中ですが、世界堂などではこのような補修は行ってくれません。当方では神田の草土舎に依頼しています。

裏面は神田の草土舎できれいに直してくれました。


修理に際してはむろん平野政吉(商店)のシールはきちんと遺しています。


参考までに落款などの資料を投稿しておきます。


今は茶室に飾って愉しんでいます。


間違いのない藤田嗣治の作品の蒐集は難しいものですが・・・。




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