入手時は痛みがひどく表具師から見放された大きな作品・・・。
表具師からの回答「此の軸の場合、本紙が折れていますが、ほぼすべて本紙は切れています。 裏打ちを剥がすと本紙の切れている部分が分解します。 本紙に繋ぎを入れて裏打ちしないと出来ません。 普通、染抜き(水洗い程度)を行って改装すると 80,000円ほどですが 此の軸は本紙がしっかりしているものに比べて 2倍から3倍の手間がかかります。 よって、今回当店でお受けしかねます。 ご理解下さい。 よろしくお願いいたします。」交渉の末、ようやく改修を受けていただきました。このたび完成して手元に戻ってきました。
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大鷲図 平福穂庵筆 明治7年(1874年)紙本水墨軸装 軸先骨 合箱全体サイズ:横1000*縦2200 画サイズ:横875*縦1650*分類第2期:職業画家をめざして(明治1年~10年)
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落款には「甲戌夏月 穂庵寫 押印」とあり、1874年(明治7年)の作と思われます。郷里の画家「平福穂庵」は明治5年に知人を訪ねて北海道浦河に渡り、その後函館に数年滞在して、この間北海道の各地を漫遊し、アイヌの生活を観察して漁猟図などを描いていますが、その頃の作となります。
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これほどの大きな作品は珍しいものです。郷里の画家の作品を後世まで伝えていくのが蒐集するものの務めです。金銭的な値打ちに固執して蒐集するはことは割に合わない務めです。当方で蒐集した作品の30%ほどはなんらかのメンテがされています。
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本日は引き続き本ブログにてたびたび紹介されている明末から清初とされる漳州窯の作品です。
漳州窯の作品はご存じのように染付、赤絵、餅花手など皿、特に大皿の作品がメインですが、茶人に好まれたことから花入、水指、そして本日の作品のように香合などの小物の作品まであります。
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本ブログで紹介した作品にも下記のように日本から茶人が注文したと推定されるそのような作品があります。
明末呉州赤絵? 花鳥文一輪挿杉古箱入口径230*胴径70*高台径*高さ155
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明末呉須赤絵? 鳥花草文盃保存箱入全体サイズ:幅69*奥行き59*高さ40Image may be NSFW.
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ただしこれらの作品は古来より近代まで多くが日本で模倣されてきましたので漳州窯の作品という確証のあるものではありません。
漳州窯明末呉州赤絵? 花鳥紋水指底窯割金繕 古杉合箱直径145*底径*高さ174
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香合の作品では古染付の作品が古来より珍重されてきましたが、赤絵の作品も数多くあります。
明末漳州窯 呉州赤絵 鳳凰文香合 合古箱幅50*奥行38*高さ26
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漳州窯は明時代から清時代の窯とされます。窯跡は、福建省漳州市平和県を中心に漳州地区に広範囲に分布していて、明時代後期から清時代前期には、景徳鎮窯製品を模倣した粗製の青花磁器(呉州染付)や五彩磁器(呉州赤絵)、白釉磁器(白呉州)、藍釉白花・褐釉白花(餅花手)、素三彩(交趾香合・交趾三彩)などが生産され、日本や東南アジア、西アジア、ヨーロッパなど世界各地に輸出されました。
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虫喰と称される釉薬の剥がれを茶人は味わいとして評価したようです。
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中国にはこのような小さな蓋物は存在しないことから日本からの注文品と推定しています。
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雑なようで雑でない、野卑なようで野卑でないという風趣がいいのでしょう。
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もともと香合は炉の中に使う香木の入れ物。それに使った器として茶席で鑑賞する作品ですので、格としては高いらしい・・。
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風流を求める茶人にはこのような作品がたまらなかったのでしょう。
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現代のこぎれいな道具にはない趣があります。
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箱も良さそう・・・。
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さて炉などに縁のない小生は朱肉入れかな・・???
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当方では塗箱の外箱(二重箱)を誂えています。なお包んであった袱紗はかなり破損していたので、義母が修理してくれました。
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新たなメンテナンスを加えながら大切に受け継いでいくことが、蒐集する者の大きな役割ですね。
メンテするにはその作品がそれ相応のいろんな面から価値を持つものかどうかを見極めることが必要です。それが一番難しい・・。その価値観とメンテにかける労力の葛藤もある。
表具師からの回答「此の軸の場合、本紙が折れていますが、ほぼすべて本紙は切れています。 裏打ちを剥がすと本紙の切れている部分が分解します。 本紙に繋ぎを入れて裏打ちしないと出来ません。 普通、染抜き(水洗い程度)を行って改装すると 80,000円ほどですが 此の軸は本紙がしっかりしているものに比べて 2倍から3倍の手間がかかります。 よって、今回当店でお受けしかねます。 ご理解下さい。 よろしくお願いいたします。」交渉の末、ようやく改修を受けていただきました。このたび完成して手元に戻ってきました。
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大鷲図 平福穂庵筆 明治7年(1874年)紙本水墨軸装 軸先骨 合箱全体サイズ:横1000*縦2200 画サイズ:横875*縦1650*分類第2期:職業画家をめざして(明治1年~10年)
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落款には「甲戌夏月 穂庵寫 押印」とあり、1874年(明治7年)の作と思われます。郷里の画家「平福穂庵」は明治5年に知人を訪ねて北海道浦河に渡り、その後函館に数年滞在して、この間北海道の各地を漫遊し、アイヌの生活を観察して漁猟図などを描いていますが、その頃の作となります。
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これほどの大きな作品は珍しいものです。郷里の画家の作品を後世まで伝えていくのが蒐集するものの務めです。金銭的な値打ちに固執して蒐集するはことは割に合わない務めです。当方で蒐集した作品の30%ほどはなんらかのメンテがされています。
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本日は引き続き本ブログにてたびたび紹介されている明末から清初とされる漳州窯の作品です。
漳州窯の作品はご存じのように染付、赤絵、餅花手など皿、特に大皿の作品がメインですが、茶人に好まれたことから花入、水指、そして本日の作品のように香合などの小物の作品まであります。
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本ブログで紹介した作品にも下記のように日本から茶人が注文したと推定されるそのような作品があります。
明末呉州赤絵? 花鳥文一輪挿杉古箱入口径230*胴径70*高台径*高さ155
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明末呉須赤絵? 鳥花草文盃保存箱入全体サイズ:幅69*奥行き59*高さ40Image may be NSFW.
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ただしこれらの作品は古来より近代まで多くが日本で模倣されてきましたので漳州窯の作品という確証のあるものではありません。
漳州窯明末呉州赤絵? 花鳥紋水指底窯割金繕 古杉合箱直径145*底径*高さ174
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香合の作品では古染付の作品が古来より珍重されてきましたが、赤絵の作品も数多くあります。
明末漳州窯 呉州赤絵 鳳凰文香合 合古箱幅50*奥行38*高さ26
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漳州窯は明時代から清時代の窯とされます。窯跡は、福建省漳州市平和県を中心に漳州地区に広範囲に分布していて、明時代後期から清時代前期には、景徳鎮窯製品を模倣した粗製の青花磁器(呉州染付)や五彩磁器(呉州赤絵)、白釉磁器(白呉州)、藍釉白花・褐釉白花(餅花手)、素三彩(交趾香合・交趾三彩)などが生産され、日本や東南アジア、西アジア、ヨーロッパなど世界各地に輸出されました。
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虫喰と称される釉薬の剥がれを茶人は味わいとして評価したようです。
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中国にはこのような小さな蓋物は存在しないことから日本からの注文品と推定しています。
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雑なようで雑でない、野卑なようで野卑でないという風趣がいいのでしょう。
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もともと香合は炉の中に使う香木の入れ物。それに使った器として茶席で鑑賞する作品ですので、格としては高いらしい・・。
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風流を求める茶人にはこのような作品がたまらなかったのでしょう。
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現代のこぎれいな道具にはない趣があります。
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箱も良さそう・・・。
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さて炉などに縁のない小生は朱肉入れかな・・???
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当方では塗箱の外箱(二重箱)を誂えています。なお包んであった袱紗はかなり破損していたので、義母が修理してくれました。
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新たなメンテナンスを加えながら大切に受け継いでいくことが、蒐集する者の大きな役割ですね。
メンテするにはその作品がそれ相応のいろんな面から価値を持つものかどうかを見極めることが必要です。それが一番難しい・・。その価値観とメンテにかける労力の葛藤もある。