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Channel: 夜噺骨董談義
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雨蛙之図 田中以知庵筆 その6

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一昨日は岩手県三陸まで出張。一関から奇跡の一本松を車窓から眺めながら慌ただしく陸前高田から北上し宮古を経由し盛岡から帰京しました。復興は佳境にきているという感じですが、地域によって、その被害によって、進行具合には大きく差があるように思われました。

田中以知庵の作品は本作品で六作品目となります。

ひと作品は掛けておくのに欲しい画家の一人です。この程度の作品なら運がよければ二万円以下でネットオークションで購入できます。

雨蛙之図 田中以知庵筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1020*横380 画サイズ:縦255*横230



田中以知庵は別号に咄哉州・一庵等があり、箱書きにはその号にて記載されています。釈宗活について禅を学び、朝鮮半島に渡るなど数年にわたって求道的な生活を送っており、その飄逸な絵画世界を二匹の蛙にて表現された作品といえます。



日本の身近な自然をこよなく愛し、みずみずしく潤いのある画風で、鳥、草花、蛙、風景などを描いた以知庵芸術に接していると、忘れかけていた日本の美を取り戻した様な気持ちになります。



作品に箱書きなどをするのはいいのですが、やたら下手な字で書かれると上品な作品が生きなくなります。



箱書きは最低限に・・・。



所蔵印は巻き止や説明書など目立たぬように・・、作品に押印するのは論外です。



掛け軸の巻き方は品良く・・。



表具は作品にあわせるのがいいです。



軸先も象牙だけが軸先ではありません。



掛け軸の扱い方、愉しみ方を知っている人は少なくなりました。

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田中以知庵:日本画家。明治26年(1896)〜昭和33年(1958)。東京生。名は兼次郎、別号に咄哉州・一庵等。上原古年に画の手ほどきを受けたのち松本楓湖に師事し、巽画会・紅児会等で活躍する。速水御舟などともよく交友し1929年には小室翠雲の推薦により日本南画院同人となりその後は同展を中心に日展などでも活躍した。また、釈宗活禅師に禅を学び1912年には禅号として咄哉(州)を拝受、南画研究と禅修行の為に朝鮮半島に渡るなど求道的な一面をみせ、作品では詩情に溢れた花鳥、風景画を展開、晩年は風景画に独自の画境を拓き、飄逸な絵画世界を展開した。春陽会会友・日本南画院同人・日展審査員。昭和33年(1958)歿、65才。



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本作品と同じような蛙を描いた作品「朝露」という作品がインターネット上にありました。


復興も最大の焦点はどれだけの住民が戻ってくるのかということでしょうね。これといった産業をもたない地域は厳しい現実がああるようです。復興工事をしている人は使命感を持って積極的に仕事をしてました。

地域創生の必要性は本ブログでも繰り返し述べてきましたが、根の深い少子高齢化対策がなおざりですね。働く女性の推進をするなら、同時に少子化対策も行うべきでしょう。子づくり支援、たとえば託児所不足、体外受精支援、教育費用負担などは政府主導で思い切った施策が必要と思われます。少子高齢化対策を行うことは、20数年後には日本がなんとかなるという大事な施策です。託児所が足りない、子づくりにお金がかかる、教育費が払えない・・、若い世代の貧困化をもっとなんとかしなくてはいけません。これは地域創生とも繋がります。

さて、午後からは台風を出迎えるように神戸まで出かけます






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