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Channel: 夜噺骨董談義
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好きな作品 嵐峡 福田豊四郎筆 昭和15年頃 その157

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蒐集した作品をまた見直していると、がっかりする作品とこれはいいと思う作品と交錯しています。


この作品は「これはいい」と思った作品ですが、少し痛みが進んだようです。
古画 騎馬武将図 作者不詳紙本着色軸装 軸先象牙 合塗箱入全体サイズ:縦1178*横406 画サイズ:縦321*横296



折れシワに剥離が進んでいています。


そろそろ「締め直し」(表具材をそのままに再表具すること)する時期のようです。


再表具でも締め直しが最適でしょうね。完全に新しくするには抵抗があります。



絵の具の剥離もあるので表具師さんとの十分な打ち合わせが必要ですね。


さて本日紹介する福田豊四郎の作品は、戦前に描かれた福田豊四郎の初期に属する作品ですが、初期の佳作と言っていいでしょう。誂えも丁寧です。


好きな作品 嵐峡 福田豊四郎筆 その157絹本水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱二重箱全体サイズ:縦2165*横560 画サイズ:縦1290*横420
 
描かれたのは若い頃、福田豊四郎が土田麦僊のもとで修行してた京都の嵐山でしょうか? 筏流しの風景は郷里の風景と重なったのでしょう。

未熟な段階の作品ながら明るい色彩でノスタルジーが溢れる作品となっています。


福田豊四郎における初期の作品でこれほどの出来の良い作品はなかなかない・・。


戦前の作品ながら保存状態は最高の状態のままですね。


この作品を鑑賞していると福田豊四郎の初期の作品が好きだという方が多いのも頷けます。


郷里では蒐集する方が少なくなった福田豊四郎氏の作品ですが、当方ではこのような佳品を入手できるのでウハウハしながら蒐集しています。


金銭目的の蒐集ではないので、廉価になればなるほど蒐集しやすいものです。


二重箱に題字カバー、そして内箱に引き出し金具。


こういうきちんとした誂えの作品には贋作はない・・・?? 掛軸の愉しみは作品だけではないところがありますね。


この作品の朱文白方印「豊」は従来のこの印(箱書に押印されてる昭和18年以降から晩年まで使用されたもの)と違いがある。ただ共箱の印は従来の印あり、作品からも贋作ではなくこの点は後日検証の必要がある。一部の資料にはこの印と同一の印があるが、この印は昭和15年頃から昭和18年の印使用までの短期間の使用と思われる。
  
また好きな作品がひとつ増えました・・・。









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