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贅沢な展示? 芍薬 中村岳陵筆

現在、展示室には当方のお気に入りの画家、中村岳稜と山口蓬春の2作品を展示しています。
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山口蓬春の作品は「早春」という題名ですが、本日紹介するのはもういっぽうんの中村岳稜の作品です。
中村岳稜は、昭和37年には文化勲章を受与されるなど現代日本画壇の重鎮として、華やかな足跡を遺した画家です。近代西欧絵画の理解によってその日本絵画への移入を試み、常に意欲的姿勢を示していました。
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本作品もまずはその構図がなかなか面白く、この構図と色使いからも意欲的な姿勢がみてとれますね。
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贅沢な展示? 芍薬 中村岳陵筆絹本着色額装 紙タトウ+共シールF12号 額サイズ:縦690*横780 画サイズ:縦490*横580
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さて芍薬を活けている花器はなにでしょうか? やはり漆器かな??
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ところで美女の形容として「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という都々逸がありますが、これはもともと漢方薬や東洋医学関係者の間では、この文言は元々は婦人の生薬の使い方を示す漢方の言で、イラ立ちやすい女性は芍薬の根を、座りがちの女性は牡丹の根の皮を、フラフラ歩く女性は百合の根を用いると良いという意味だとする説が語られており、実際に漢方薬にて応用されているようです。
*ただし本当の由来についてはっきりしたことは分かっていないようです。
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もともとシャクヤクまたは近縁植物の根は、収斂・消炎・鎮痛・抗菌・止血・浄血・抗痙攣作用がある生薬として用いていたようです。
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漢方ではポピュラーな生薬であり、葛根湯、十全大補湯、芍薬甘草湯、大柴胡湯、当帰芍薬散、四物湯、桂枝加芍薬湯など多くの漢方方剤に配合されているようです・・。民間療法では、虚弱体質や婦人病の人に、根3 - 6グラムを水400 ccで半量になるまでとろ火で煮詰めて煎じた汁を、温かいうちに1日3回服用する用法が知られています。
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いやはや描いた作品を鑑賞するより、漢方の話になりました。
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ところで同じく日本画家である「中村宗弘」は孫にあたるそうです。東京国立近代美術館蔵の中村岳陵の代表作「孫」(1951年)のモデルは中村宗弘とか・・・。残念ながら当方ではまだこの作品を見たことがありません。
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本作品は小作品ながらカラリスト、中村岳陵の豊かな色彩感覚がうかがえる作品だと思います。
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作品中には落款と印章。
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中村岳陵と山口蓬春の2作品をじっくりと鑑賞・・・。
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ともに文化勲章を受章している画家の作品ですが、今では「忘れ去られた画家」になりつつあるようで、このような贅沢な展示も今は廉価でできるようになりました。






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