Quantcast
Viewing all articles
Browse latest Browse all 3054

筑波山之図 寺崎廣業筆 明治45年(1912年)頃 その2

先日会食で訪れたのは、本橋茅場町にある江戸時代から続く超老舗のうなぎの名店「うなぎ喜代川」です。
Image may be NSFW.
Clik here to view.


この店の2階の会席用の座敷の床に本日紹介する作品と同様に水墨のみで紙本に描かれた同図の筑波山の作品が飾れていました。本作品より倍近い大きさであり、箱には「筑波山」とあるそうで、本作品の同図の作品「その1」に記された箱の題名「磐梯山」とは異なり、当方で所蔵する本作品ら(「その1」、「その2」)は筑波山を描いた作品と推定されるようです。
*後述のように「その1」の「磐梯山」とい題名が間違いなようです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.


さらに「喜代川」の2階の廊下には渡辺淳一の小説「化身」の挿絵の原画が飾られていますが、この原画は洋画家小松崎邦男の作です。
さて当方ではほぼ同じ構図の寺崎廣業の作品がふたつ存在し、そのひとつは「磐梯山」(下記写真右)と題して本ブログにて紹介しています。さらにもうひとつに作品(下記写真左)を本日紹介しますが、まったくの偶然にて上記のようなことから題名は「筑波山」と判断いたしました。
Image may be NSFW.
Clik here to view.


筑波山之図 寺崎廣業筆 明治45年(1912年)頃 その2絖本水墨軸装 軸先樹象牙 伊藤渓水?鑑定巻止 誂箱 全体サイズ:横620*縦720 画サイズ:横490*縦490
Image may be NSFW.
Clik here to view.


当方にて所蔵する両作品は共に同じ大きさの絖本という高級な絹本に描かれいます。それゆえ独特の墨の滲みが見られます。
Image may be NSFW.
Clik here to view.


簡易な表具ながら独特な雰囲気があります。「喜代川」にて飾られていた作品は紙本ですが、雲が描かれていました。
(「喜代川」の作品は残念ながら写真撮影は失念しました。)
Image may be NSFW.
Clik here to view.


表具は雲を表していますね。
Image may be NSFW.
Clik here to view.


筑波山は日本百名山のなかでは最も低い山として知られる茨城県の名山。男体山と女体山からなる双耳峰で、山頂には筑波山神社の本殿があります。                  筑波山Image may be NSFW.
Clik here to view.


かたや裏磐梯は下記の写真です。
裏磐梯Image may be NSFW.
Clik here to view.


寺崎廣業は明治44年と45年に足利や茨木県を訪れている記録があり、この頃の作と推定しています。明治44年には田崎草雲(故帝室技藝員)の旧白石山房を預かり、ときおり出かけては絵を描いています。また明治45年には茨木県北山内寺崎を訪ねて、この地の城主であった遠祖の墓を詣でています。
ちなみに「その1」として本ブログですでに紹介してある作品は下記のものです。
筑波山之図(題名を「磐梯山」から変更) 寺崎廣業筆 明治45年(1912年)頃 その1絖本水墨軸装 軸先樹脂 合箱入 全体サイズ:横540*縦1320 画サイズ:横490*縦490

Image may be NSFW.
Clik here to view.


「その1」にの箱書には「磐梯山」とあります。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
 Image may be NSFW.
Clik here to view.
 
「その2」の巻き止めには「帝室技藝員 寺崎廣業先生筆 筑波山之図真蹟 渓?水鑑 押印」とあります。 
Image may be NSFW.
Clik here to view.
 Image may be NSFW.
Clik here to view.

この作品らは額装に改装しようかとも思いましたが、このままにしておくことにしました。










Viewing all articles
Browse latest Browse all 3054

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>