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明末呉須赤絵 印判手楼閣文青手盤 その2

息子の夏休みが終わっていましたが、まだ日が長く暑さもあり延期になっていた花火会を先週の日曜日に行いました。
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メンバーは近所の息子の同級生の家族らがメインで、毎年の恒例になっていますので、子供らも慣れてきていました。
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本日の作品の紹介です。17世紀初頭中国明時代の末期に広東省南部の漳州市(しょうしゅうし)一帯で作られた代表的な作例に「明末呉須赤絵」と称される大皿がありますが、その「明末呉須赤絵」と称される中に青色が主体の図柄の作品もあります。
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*本日紹介する作品は下記写真左(中央と右の作品は以前にブログにて投稿済みの作品)です。
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漳州の大皿の作品には大別して赤絵主体の作品と青絵主体の作品があり、さらには餅花手という特殊な作例もあります。餅花手の作品は本ブログにて数点紹介していますが、漳州窯で作られた大皿の作品の中で非常に数が少なく特殊な作例です。比して明末呉須赤絵の赤絵と青絵主体の作例は非常に数が多いようです。
通常は赤絵のほうが評価は高いのですが、生地が黒ずんでいると評価が低くなるなど作品の色具合などによる出来不出来でその評価は大きく違います。また一概に色のよって価値を決めることはできませんし、時代が下がると虫喰いがなくなるなどきれいにはなるのですが、かえって野趣な感じがしないということで価値が下がるようです。具体的には明末の作品が評価が高く、清朝になってからの作品は趣が足りないと評価されているようです。
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明末呉須赤絵 印判手楼閣文青手盤 その2誂箱口径379~384*高台外径195*高さ83~90
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この手の作品は判読不能な朱文の角印が4つの印が描かれており、印鑑のように見えることから「印判手」とも呼ばれています。この手の作品は本ブログでは2作品目の紹介となります。
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中央の見込みには基本的に楼閣が描かれています。
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この作品は状態としてはかなり上作となります。ほんの少しの欠けやハマグリはあるものの虫喰は少なく、また擦れも非常に少ないことから海上運送時には最上部に置かれていた作品かもしれません。
*漳州窯の作品は日本に船で運ばれており、積み重ねて運搬されたようで、見込みの色が運搬時の振動で擦れている作品が多々あります。使用中に出来たもののあるでしょうが、運搬時によるものの多いと推察されています。
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漳州窯の明末の作品は、胎土が粗雑なことから、釉薬が剥がれているという特徴を有しています。良質の陶土は深く掘らないと得られないことから、官窯から民窯になってから、掘削時の危険性とコストの観点から上部の粗雑な陶土で作られたことに起因しているとされます。
明末には政情が不安的であり、官窯よりも民間の窯が盛んとなっていることも背景にあります。
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白の釉が黒ずんでいると評価は大きく下がります。
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この手の作品は赤絵にしても口縁が反りかえっている方が評価が高いとされています。
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実におおらかで出来の良い青手の作品となっています。大きさも十分ですね。
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日本では盛り付け用の大皿として用いたようです。武家ならず商家でも所望し、大量生産され、日本へのその輸入数はかなりの数となっていたのでしょう。ただし現代では古染付や南京・天啓赤絵のように日本にしか残存していないとされています。
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表裏共々、洗浄しておきました。おおかたの汚れは落ちました。
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この手の作品中では発色のきれいな出来の良い作品ですが、過去のような人気ブームは去り、今では需要も少なくなったため、手頃なお値段にて入手できるようになりました。
所詮、骨董品の人気や評価は花火のようなもの・・・。






































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