本日紹介する作品は資料的価値の高い作品として入手しました。資料的価値が高いのは、まずは秋田美術倶楽部の鑑定書、そして印章が珍しいことです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
かかし 平福百穂筆 その124 紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱全体サイズ:縦1335*横635 画サイズ:縦390*横474秋田美術倶楽部平成11年1月7日 鑑定書同封
Image may be NSFW.
Clik here to view.
描かれているのは「かかし」・・。平福百穂の明治末頃の作か?
Image may be NSFW.
Clik here to view.
この頃にさかんに歌を詠んだ平福百穂ですが、「かかし」を題材にしたものは調べましたがないようですが・・。
「かかし」は「案山子」と書きますね。「案山子」と書く理由については「案山は低く上平かに机の如き意ならん、低き山の間には必田畑をひらきて耕作す、鳥おどしも、案山のほとりに立おく人形故、山僧など戯に案山子と名づけしを、通称するものならんといへり ・・・・」という文献があるようです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
「かかし」は農作物の鳥獣害を避ける手段で、およそ3種に分けられるようです。1.田に注連をはり、竹や藁で人形をつくり、蓑笠を着せ、弓を持たせて田畑に立て、鳥獣の害を防ぐもの。「しめ」、「そめ」などともいうようです。*本作品はこの部類に入るようです。
2.かがし(嗅(か)がし)とよばれ、悪臭を放つものを串に刺して鳥獣を追い払うもの。これは「かかし」の直接の語源のようで、語源は「嗅がし」ではないかとも言われます。鳥獣を避けるため獣肉、髪の毛や魚の頭などを焼き焦がして串に通し、地に立てたものもカカシと呼ばれるためです。これは嗅覚による方法であり、これが本来のかかしの形であったと考えられています。
また、「カガシ」とも呼ばれ、日葡辞書(17世紀に発行された外国人の手による日本語辞典)にもこちらで掲載されています。またカカシではなくソメ(あるいはシメ)という地方もあり、これは「占め」に連なる語であろうと思推測されています。
3.「おどし」という、音をたてて鳥獣を脅す鳴子(なるこ)もかかしの一つとされます。
これらの3種は、地方によって名称や内容がさまざまに混用されてており、長野県ではカガシアゲとかソメノトシトリとかいって、旧暦10月10日にかかしを田からもってきて庭先に立てて祭る風があるようです。餅を搗いて、長い大根を案山子様の箸といってこれに添えてかかしに供える所もあります。かかしを田の神の代表としているのでしょう。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
本作品には秋田美術倶楽部の鑑定書が同封されています。郷里でもあまり見かけない鑑定書ですが、いまでも秋田美術倶楽部は存在するようです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
平成11年の鑑定のようです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
きちんとした鑑定書のようです。平福百穂の鑑定としては、子息である平福一郎、舟山三郎であり、たまに孫の中田百合、門下生であった島田柏樹のものがありますが、現在の鑑定機関は東京美術倶楽部なのでしょう。地方の鑑定書は今はまったく信頼されていないと考える方がいいでしょう。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
この作品に押印されている印章は下記写真左の印章(「百穂」朱文白方印)ですが、非常の稀な印章でおそらく明治期に平福百穂が使用していたものと推定されます。同じ印章が当方の所蔵作品である「浜鳥之図 平福百穂筆 伊藤左千夫賛」に押印(下記写真右)されています。他にも当方で入手した作品に押印がありますが、その作品はまた後日に投稿します。
Image may be NSFW.
Clik here to view.
Image may be NSFW.
Clik here to view.
印章の参考となる資料の少ない画家については少しずつ資料を蒐集して自分の資料として蓄積しなくてはなりません。
Image may be NSFW.
Clik here to view.

かかし 平福百穂筆 その124 紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱全体サイズ:縦1335*横635 画サイズ:縦390*横474秋田美術倶楽部平成11年1月7日 鑑定書同封
Image may be NSFW.
Clik here to view.

描かれているのは「かかし」・・。平福百穂の明治末頃の作か?
Image may be NSFW.
Clik here to view.

この頃にさかんに歌を詠んだ平福百穂ですが、「かかし」を題材にしたものは調べましたがないようですが・・。
「かかし」は「案山子」と書きますね。「案山子」と書く理由については「案山は低く上平かに机の如き意ならん、低き山の間には必田畑をひらきて耕作す、鳥おどしも、案山のほとりに立おく人形故、山僧など戯に案山子と名づけしを、通称するものならんといへり ・・・・」という文献があるようです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.

「かかし」は農作物の鳥獣害を避ける手段で、およそ3種に分けられるようです。1.田に注連をはり、竹や藁で人形をつくり、蓑笠を着せ、弓を持たせて田畑に立て、鳥獣の害を防ぐもの。「しめ」、「そめ」などともいうようです。*本作品はこの部類に入るようです。
2.かがし(嗅(か)がし)とよばれ、悪臭を放つものを串に刺して鳥獣を追い払うもの。これは「かかし」の直接の語源のようで、語源は「嗅がし」ではないかとも言われます。鳥獣を避けるため獣肉、髪の毛や魚の頭などを焼き焦がして串に通し、地に立てたものもカカシと呼ばれるためです。これは嗅覚による方法であり、これが本来のかかしの形であったと考えられています。
また、「カガシ」とも呼ばれ、日葡辞書(17世紀に発行された外国人の手による日本語辞典)にもこちらで掲載されています。またカカシではなくソメ(あるいはシメ)という地方もあり、これは「占め」に連なる語であろうと思推測されています。
3.「おどし」という、音をたてて鳥獣を脅す鳴子(なるこ)もかかしの一つとされます。
これらの3種は、地方によって名称や内容がさまざまに混用されてており、長野県ではカガシアゲとかソメノトシトリとかいって、旧暦10月10日にかかしを田からもってきて庭先に立てて祭る風があるようです。餅を搗いて、長い大根を案山子様の箸といってこれに添えてかかしに供える所もあります。かかしを田の神の代表としているのでしょう。
Image may be NSFW.
Clik here to view.

本作品には秋田美術倶楽部の鑑定書が同封されています。郷里でもあまり見かけない鑑定書ですが、いまでも秋田美術倶楽部は存在するようです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.

平成11年の鑑定のようです。
Image may be NSFW.
Clik here to view.

きちんとした鑑定書のようです。平福百穂の鑑定としては、子息である平福一郎、舟山三郎であり、たまに孫の中田百合、門下生であった島田柏樹のものがありますが、現在の鑑定機関は東京美術倶楽部なのでしょう。地方の鑑定書は今はまったく信頼されていないと考える方がいいでしょう。
Image may be NSFW.
Clik here to view.

この作品に押印されている印章は下記写真左の印章(「百穂」朱文白方印)ですが、非常の稀な印章でおそらく明治期に平福百穂が使用していたものと推定されます。同じ印章が当方の所蔵作品である「浜鳥之図 平福百穂筆 伊藤左千夫賛」に押印(下記写真右)されています。他にも当方で入手した作品に押印がありますが、その作品はまた後日に投稿します。
Image may be NSFW.
Clik here to view.

Clik here to view.

印章の参考となる資料の少ない画家については少しずつ資料を蒐集して自分の資料として蓄積しなくてはなりません。