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Channel: 夜噺骨董談義
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双幅秋冬山水図のうち冬 左幅 狩野養信筆 その5

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いつの世も同じところにとどまっていては進展がないことはやむを得ないことですが、進展を繰り返すのには多大な労力と伝統に対する葛藤があるようです。

双幅秋冬山水図のうち左幅 秋の図 狩野養信筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦2120*横490 画サイズ:縦1071*横315



養信が後亡くなった原因は、生来病弱な上に、相次ぐ激務による疲れであったと推測されています。



狩野元信以来狩野派の課題であった漢画と大和絵の対立を昇華したことが、狩野養信の業績ですが本作品も土佐派のような大和絵の影響がうかがえます。



さらには南画の影響もうかがわれ、当時の日本画の主流が読み取れます。



狩野芳崖もこの影響を受け、初期の作品には明らかに狩野養信を師としていたことが理解できます。



この影響は橋本雅邦にも同様で、川合玉堂にも受け継がれました。その後、洋画の影響を受けて明治画壇が新たな流れに変遷していくこととなります。



さて双幅の両方を掛けて鑑賞しましょう。双幅や三幅揃いの掛け軸を掛けれる床の間はめっきり少なくなりました。

 

落款が右にある掛け軸は右に、落款が左にある掛軸は左に掛けるのが基本です。

 

このような基本を知らずに掛け軸を扱ってはいけません。



このように左右を反対に掛ける御仁はわりと多いものです。


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