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Channel: 夜噺骨董談義
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明末呉須赤絵 花鳥紋菓子鉢 その2

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昨日は都内の現場巡り・・。慌しく10近くの現場をみてきました。現場は百聞は一見にしかずですね。見て来て所長と話をしてきて、なにかを感じることが大切だと改めて思いました。張り切りすぎてまた耳の具合が悪くなり、夕方は耳鼻科に急行・・・ 明日には四国へ日帰り

本日の作品である呉須赤絵は洒脱さと古さが生命線だと思います。

明末呉須赤絵 花鳥紋菓子鉢 その2
金繕 合箱
口径240*高台径*高さ108



明末の呉須赤絵鉢で深鉢になっている作品の2作品目の登場です。



上記にリンクしている作品とほぼ同じ図柄で同時期に製作された作品ではないかと推察されます。違うのは高台内に本作品が釉薬が掛かってしるというこどです。



下記の写真の一作品目と比べると非常に似通っていいることがお分かり頂けると思います。




呉須赤絵鉢は日本で作られていた作品がほとんどであり、絵が模倣に域を出ずきれいすぎて、明末のような洒脱な作品が少ないと思われます。日本で製作された作品を明や清の時代の作品と思っている人が意外に多いようです。



本作品は明時代末期、中国福建省南部の漳州窯で焼かれた呉須赤絵の作品と思われ、欧米ではスワトウ・ウェアと呼ばれています。



本品は、花鳥や魚、動物の文様が色鮮やかで楽しい作品になっています。中国に残っているものは少なく、かえって日本・南洋・欧米にその品の残っているものが多いようです。



お茶会で賞翫される呉須赤絵の器物は赤玉香合・玉取獅子鉢・魁手鉢・呉須菊竹鉢・尾長鳥鉢・魚手鉢・骸麟手鉢・青呉須竜手鉢などで、大皿はそれ程顧みられないようです。きれいなものは時代が新しく、近年の模倣品も数多くあるようです。



この赤絵系統の作品は中国人の好みではないらしく、中国人の投機対象ではないようでそれほど高値ではありません。ただ、ありそうでないようで出来の良い作品は貴重かもしれません。



本作品は残念ながら大きく割れてようで、金繕いの補修跡があります。



その補修跡も洒脱に変える日本人好みの愉しさが本作品にはあります。そう、完全さを求める人生なんて窮屈なだけですよ。いろんな失敗や恥をかいて修正しながら生きていくのが愉しいものですよ。失敗せずに人の上に立つとろくなことにならない

さて、二つ揃いが出来ました。このような大きな鉢はなにに使おうかな・・・。



勢いにある筆遣い



釉薬の禿げが胴体部部にもあるという荒々しさ。



ひょうきんな鳥の表情。



すべてに楽しみを見出せるこの作風は日本独特の感性によるところが大きい。



このように普段使う器の中に美を見出す感性が日本から失われつつあると危惧するのは私だけでしょうか?



この赤絵を引き継いだ日本人は奥田頴川でしょうね。彼については後日また・・・。





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