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忘れ去られた画家 孟秋山水図 野口小蘋筆 その2

女流南画家というと奥原晴湖野口小蘋があげられ、明治の女流南画家の双璧と称されています。本ブログでもこの二人の作品は紹介されていますが、もう一人中村餘容も忘れてはいけませんね。

奥原晴湖野口小蘋の投稿作品はリンク先を参考にしてください。

孟秋山水図 野口小蘋筆 その2
絹本水墨淡彩軸装 軸先鹿角 合箱
全体サイズ:縦1793*横544 画サイズ:縦1052*横407

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賛には「明治辛丑(かのとうし)孟秋(「孟」ははじめの意〕�秋のはじめ。初秋。�陰暦七月の異名。)小蘋写 押印(「埜親之印」白文朱方印と「小蘋女史」の朱文白方印)」とあることから、1901年(明治34年)野口小蘋が53歳の作と思われます。

印章は一作品目の「山静夕長図 野口小蘋筆」と同一のものです。

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野口小蘋は母のために絵を売り、夫は事業に失敗するなど苦労がうかがわれますが、女性初の帝室技芸員(現在で例えるなら人間国宝?)を拝命し、翌年には正八位に叙せられています。その直前の頃の熟練期の作品です。題名は当初「雪景山水図」となっていましたが、賛のとおり「孟秋山水図」としました。

ただ・・・??この作品の製作時期よりもこの作品の景色はいつ??? 春、秋、冬・・・??

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本作品の製作当時は精力的に作品を描いた頃で下記の代表作が製作されました。

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『春秋山水図屏風』 静嘉堂文庫美術館 絹本著色 六曲一双 明治28年(1895年) 第四回内国勧業博覧会妙技2等賞
『箱根真景図屏風』 山種美術館    絹本著色 六曲一双 明治40年(1907年)
『春秋山水図屏風』 東京国立博物館  絹本著色 六曲一双 明治後期
『溪山清趣図』   東京国立博物館  絹本著色 大正元年(1912年)
『阿波鳴門・小松島図』 宮内庁 絹本著色 六曲一双 大正4年 (1915年)



高尚な気品の表れた作風で、近世女流南画の泰斗(その道で最も権威のある人 大家)として評されましたが、現在では知っている人は少ないでしょう。ましては女流画家とも・・。

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なんでも鑑定団にも出品されたことで記憶にある方がいるkもしれませんね。評価額が40万・・、む~一桁違うね。

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明治女の南画家の心意気・・、この3人を調べてみると気概というものが伝わってきます。

結婚をせず、こどもを作らず、仕事も中途半端・・そこらそんじょにいる最近の女性とはものが違うぜImage may be NSFW.
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