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Channel: 夜噺骨董談義
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春景山水図 伝寺崎廣業筆 工芸

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肉筆画ということで購入しましたが、どうも印刷? 印章も一致せず・・。ネットオークションで一番気をつけなくてはいけないのは実は印刷です。落款も印章も本物でありながら、実は印刷・・

プロが一番ひっかかるのは印刷作品と聞いたことがあります。印刷された作品の上から手彩色などという作品は肉筆と判別できないくらいの出来になります。中国の呉昌石、斉白石の作品も孔印刷でよく日本人がひっかかります。墨の滲みまで肉筆のまま・・・。

さて本日はそのような作品です。

春景山水図 寺崎廣業筆 工芸
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 合箱
全体サイズ:縦1380*横675 画サイズ:縦410*横605



印章は「騰龍軒」を用いていますが、どうも資料と一致しないためまず真作でないと判断されます。珍しい印章なので右の資料写真がが小さくボケていますが、印章は一致しません。押印の際や紙や印章による少々の違いではなく意図的な違いを感じます。

 

なおかつ表面がつるつるする感覚などから印刷作品、一部胡粉部分は手彩色かもしれないですが工芸品と思われます。印刷用の作品のため印章を換えることはよくあることですが、本作品もその部類かと・・・。



本作品は画帳に描かれたように中央部分に折れの跡のようなものがあり表具は改装されています。贋作を印刷することもままありますが、基本的には本物を印刷します。ただし非常に流行したので著名な作品とは限りません。



改装した所蔵者は工芸や贋作とは考えていなったと思われます。印刷を本物と間違える人は「見る眼がある」と骨董商は評するそうです。つまり贋作に騙されるよりはましだということのようです。



印刷は落款もよく、印章も本物のまま印刷することがありますが、あくまでも工芸としてということで印章を本物と若干変えたり、「工芸」という印に変えることがあります。贋作という指摘を逃れるために若干だけ、もしくは完全に印章を変えるという手段を講じるのです。

しかしながら若干だけ変えるのはまだいいほうで、印章をそのまま本物を印刷することがあります。これは非常に厄介なことになります。



出品者は返品に応じてくれるとのことでした。このような誠意のある出品者は珍しいかもしれません。今回は軸先が立派なので他に転用できるため参考作品として購入しました。

逆に工芸品(印刷)と思って気楽に購入したら肉筆であったということもありました。「肉筆かとおもいますが・・」という出品でしたが・・・。

松茸図 金島桂華筆 
絹本着色色紙 タトウ
画サイズ:縦270*横240



他に大橋翠石、村上華岳などの作品もありましたが、気軽に購入できる金額ではありませんでした。



欲に駆られると高くなる・・。



ただし肉筆でも真作とは限らないものです。



ネットオークションで「保証」と記されたものも「肉筆保証」という意味が多い。少なくても「真作保証」を購入すべきですね。「公的鑑定により贋作と断定された場合は返品に応じます」という表現も要注意ですね。鑑定料金を負担すると高くつきます。

本ブログでは贋作もまた投稿しています。真贋を見極めるのに参考になれば幸いです




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