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Channel: 夜噺骨董談義
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老松苔石小点図 伝椿椿山筆 その2

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週末の土曜日はホワイトデー、家内と息子と3人で近所のホテルで昼食、バレンタインデーのお返し・・、さらにもうすぐ家内の誕生日らしい

倉庫改修の打合せを一休みしたのんびりとした休日でした。息子がべったりで骨董整理が停滞のまま・・

本日は小さな作品ですが、実に品のいい作品です。作品の生地についてが主眼の記事です。駄洒落ではありません。本ブログでも他に幾つかの「絖本」に描かれた作品を紹介しています。

老松苔石小点図 伝椿椿山筆
絖本?水墨淡彩軸装 軸先象牙 識二重箱
全体サイズ:縦1340*横335 画サイズ:縦165*横175



本当に小さな小品です。印章は「弼」の小型の朱文白丸印で、落款は「休庵」と記されています。粗い生地の絹に描かれています。



箱書の表は「椿々山翁老松苔石図」とあります。箱裏には「□□壹主鑑題簽」とあります。



松は日本よりも中国で徳を現し、「秦の始皇帝が狩で大雨にあい ちいさな松の木の下に雨宿りしたところ その松はにわかに大木となり葉を繁らせ 帝を雨から守りました。



帝は大夫の位を松に与え 以来松は大夫と呼ばれます。」ということのようです。



老松は「千代に八千代にさざれ石の巌となりて苔のむすまで大君に栄えあるように御守せよ。」と言われています。



本作品は実に雰囲気の良い作品ですが、滅多に真作のないのが椿椿山の作品ですので「伝」としておきましょう。



本日は作品の生地についてが主眼の記事です。生地については下記を参考にして下さい。



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普通の絹本は「生糸」で「平織り」のものです。それに比して絖本(こうほん)は「練糸(ねんし・ねりいと)」で「繻子織り(しゅすおり)」のものです。

「生糸」とは、蚕の繭から抽出された極細の糸を数本揃えて繰り糸の状態にしたままの絹糸です。

「練糸」とは、その生糸を精練してセリシンを除いた、光沢のあるしなやかな絹糸です。

「平織」とは、織物のなかで最も多く用いられ、最も基本的な織り組織です。経糸緯糸のいずれもが、1本ごとに浮き沈みして交錯した組織です。

「繻織」とは、縦糸又は緯糸が長く浮いて交錯しており、しかもその交錯点が少ないため、他の組織に比べ織物は光沢があり、柔軟性に富んでいるのです。つまり「絖本(こうほん)」は、より上質で光沢のある絹糸を用いて、より光沢さを持たせる織り方で作られた、絹の高級な布地なのです。


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一応「絖本」としましたが、この生地は菱形に編まれており変わった生地ですね。それに合わせたような表具・・、粋ですね。


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