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Channel: 夜噺骨董談義
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もっと評価されるべき陶磁器 源内焼 その55 三彩桐鳳凰図鉢

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ビジネスの基本は需要と供給のバランスが目の付け所のようで、当たり前のことですが需要が高まったときに供給が少ないときがビッグチャンスです。当たり前のことを行動しないのが意外に人間の常・・。

本ブログで何度も述べているように、源内焼の評価がまだまだ低いと思っています。大名家や幕府高官などに収蔵されていたため、近年に再評価されるまでほとんど世に知られなかった稀有な陶磁器です。現在でも美術館などより個人が所蔵している作品が多いと効いていますので掘り出し物があるかもしれませんよ。

ただし、明治期や「源内焼もどき」の作品と混同しないようにしましょう。源内焼を源流とした四国地方の陶磁器の作品群であり、当方のブログでも二点混入していますが見分け方は簡単なようです。なお、本来の源内焼の贋作は製作が難しいために精巧なものは見当たりません。

源内焼 その55 三彩桐鳳凰図鉢
合箱
口径255*高台径*高さ50



緑釉を基調とした三彩の源内焼。本作品と同じ型から作られた作品が五島美術館の「源内焼」という展覧会を開催した時に作成された刊行本に掲載されています(作品番号71)。なお色が違うのは源内焼にはよくることで、かえって同一の色でまったく同じものという作品のほうが珍しいようです。



鳳凰を文様とした源内焼は何種類か存在します。本ブログでも下記の作品が紹介されています。

源内焼鳳凰文様輪花皿 
径258*高さ44

鳳凰の図柄は桐や竹と一緒に描かれた「桐竹鳳凰文」が著名で、中国からの伝えで「鳳凰は桐の木に棲み、竹の実を食べた」とのことから桐と竹、想像上の瑞鳥である鳳凰を組み合わせた文様をいいます。



「桐竹鳳凰文」は、天皇の夏冬の御袍(ごほう)に用いられた高貴な文様で有職文様の一つでもあります。また「桐竹鳳凰文」に麒麟を組み合わせた「桐竹鳳麟文(きりたけほうりんもん)」も同様に扱われており格調高い文様です。



本作品は桐と鳳凰のみを組み合わせた紋様です。源内焼の中では獅子や鳳凰を描いた紋様の作品が人気が集まります。



少し口縁部分に数箇所に丁寧な金繕いがありますが、状態は良いほうでしょう。



中央の陽刻の図柄の見所と外周部分の唐草のような紋様との対比が源内焼の大きな見所ですが、和洋と西洋の対比が余すところなくその魅力を伝えてくれる作品です。



まだまだ一部の人にしか知られていない源内焼ですが、もっともっと評価されるべきでしょうね。需要が高まらないと供給側にチャンスが生まれない・・、といって源内焼をビジネスとして蒐集しているわけではありません。

今は建設作業員不足、外国人労働者により供給も練られているようですが、もっと大局的な考えが必要で待遇改善、後継者育成などを考慮する必要があります。ユニオンが無理なら取り纏める組織なり、企業が必要で利益だけを追求する現況を考え直す必要があります。今がビッグチャンス・・。






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