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Channel: 夜噺骨董談義
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修正投稿 贋作考 聖僧遊里酔狂之図 伝宮川長春筆

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*********2015年5月8日追記*********

コメントにあるように本作品は「宮川長春」の作品ではないと現在は断定しています。落款を切り落とし小品に仕立てるも良し、処分してしまうもよしといった作品としています。

以下は投稿は投稿当時のままの文章です。

丁寧な説明でコメントをくださった方に感謝いたします。

*************2010年6月30日

聖僧遊里酔狂之図 宮川長春筆
絹装軸絹本着色鑑定箱入 
画サイズ:横550*縦320

本作品も仙台にある骨董品店、汲古堂さんより譲っていただいた作品です。

人物は全体に小さく描かれていますが、全体に品があり購入欲を駆り立てる魅力がありました。




肉筆浮世絵は特に好きなわけではありませんが、構図、題材が気に入りました。

達磨と花魁が衣服を逆転させたユーモラスな画題です。

 


小松正衛の箱書きがされてますが詳細は不明です。

   

落款・印章・出来から宮川長春と思われますが、真贋は後学といたします。

  

肉筆の浮世絵には贋作が多く、またガラクタが増えたような気がしましたが、結構楽しめた作品のひとつです。

宮川長春:天保2年生まれ、宝暦2年没(1682年~1752年)、享年71歳。

浮世絵師、俗称喜平次、または長左衛門。宮川流の祖、尾張の宮川村の生まれで、はじめに土佐派を学び、柔軟なる描線と美しい彩色を以って気品豊な肉筆美人画を描いたが、版画の作品は存在していない。

懐月堂安度とその工房によって肉筆美人画の支持層が拡大されたが、同様に肉筆画に専念し、作品の質をより深く探求したのが宮川長春である。

流麗な描線に良質な絵の具による丁寧な彩色がなされ、大胆で豪快な印象の懐月堂派の作品とはまた一味違う手作りの温かみがある。

長春の作品には狩野派学習の成果が見られ、晩年には一介の町絵師でありながら、狩野春賀の求めに応じて日光東照宮の彩色修理に携わるという名誉を受けている。しかし、その際に狩野春賀と争い新島に流罪となっている。

この頃に肉筆画は工房化しており、ある一定の構図から顧客に選択させたものを制作していたものと思われる。

小松正衛:1917年5月17日 山形県白鷹町に生まれる。文芸春秋取締役営業局長を経て、社友。東京良寛会会長。著書は「骨董入門」、「うれしい骨董」、「古美術巡礼」がある。


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