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Channel: 夜噺骨董談義
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所蔵作品解説  (瀧見)観音図 寺崎廣業筆 その36

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歩き始めて楽しくて仕方がない息子、この感覚?はもう味わえないのか思うととさみしい。初めて泳げた時、自転車に乗れたとき、スキーで急斜面を滑降できたとき・・・・。



寺崎廣業は決して天才肌の画家ではない。狩野派の粉本以上に古画の写しに日々努力を重ね、一流の画家の仲間入りをした画家です。

(瀧見)観音図 寺崎廣業筆
紙本水墨軸装 軸先象牙 共箱入
全体サイズ:縦2060*横349 画サイズ:縦1340*横312



観音図はたくさんの画家によって描かれいますので、自分独自の観音像というものが描けないと認めてくれない画題かもしれません。寺崎廣業の観音像には独特の顔の表情があるように思います。



誰からか依頼されて描くことが多かった寺崎廣業の作品は、それゆえ水墨一色の作品などは共箱でないことが多いのですが、本作品は珍しく共箱となっています。



「二本廣業」と称される落款の寺崎廣業の初期の頃の作品ですが、この辺の年代のことはすでに「その36」となんども投稿されている画家ですので、説明は省略します。

 

当時は墨を扱うことに長けているのは一流の画家の必須でした。武家から明治維新となり、喰うことに必死だった一人のプライド高き秋田の画家の思いが伝わります。



観音像に何を祈念して描いたのであろうか?



息子にご飯を食べさせて、風呂に入れて、気持ちよく股の間で眠りにつく・・・。これ以上を何を望むものか・・・。

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