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羅漢尊者 石川晴彦筆

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7回忌は無事終了。遠方から来てくれた方々には感謝です。昨夜帰宅したばかりゆえその件はまた後日・・・・。

本日は仏事にちなんだ作品です。「妻がこの世を去ってからというもの、仏画や水墨画などを中心に制作し、人間の行き着く場所に魅力を感じ始めます。」という画家ですから・・。

羅漢尊者 石川晴彦筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 太巻共箱二重箱
全体サイズ:縦1250*横390 画サイズ:縦350*横260



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石川晴彦:日本画家。明治34 京都生まれ。名は利治。京美工中退。村上華岳・入江波光に師事する。国画創作協会展に出品、また新樹社に創立会員として参加。同会解散ののちは華岳の影響を強く受けた仏画や水墨による山水画を個展にて中心に発表する。晩年は主に仏画を描き、仏画が大変人気がある。昭和55年(1980)歿、79才。

 

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補足説明
石川晴彦は、1901年に生まれました。仏画などを多く描き、その繊細な技術と表現方法は非常に美術界でも定評があります。京都に生まれた石川晴彦は、本名は利治となります。日本画家としての夢を果たすために、まず絵画の基本を入江波光に師事して、波光宅に起居して学び始めます。

様々な絵画に影響を受けて行く石川晴彦ですが、この頃はデューラーであったり、ホルバインなどの画風に憧れており、綿密で繊細な描写を手に入れて行きます。そして、徐々に実力を付け始める石川晴彦は、その4年後には「父母の肖像」などが、高く評価されることとなります。美術界でも高い評価を獲得した石川晴彦は、より新しい美術への興味を深めるために、仲間達と生作社というグループを結成していきます。当然、グループ展などを開催し、その活動にも高い評価を獲得することになります。このグループでの活動で、石川晴彦の絵画人生を変化させたのが、村上華岳に認められたことでしょう。時代に大家に腕を認められ、より自信を付ける石川晴彦は、結果的に、第4回国画創作協会展の「老父」で入選、華岳の買上に結びつく事になったのです。

こういった、人間をモチーフにして人気を獲得していった石川晴彦ですが、1936年に妻がこの世を去ってからというもの、仏画や水墨画などを中心に制作し、人間の行き着く場所に魅力を感じ始めます。師である、村上華岳の作風と似ているようで、その大きな部分は受け継いでいったようですが、心の地下に流れる水脈などやはり、自らの芸術を掘り下げています。比較的に、明るめの色調で描かれる石川晴彦の作品は、どこか心を癒してくれるような、そんな赴きを感じさせる作品となっているのです。石川晴彦の作品の大作としては、奈良県生駒郡宝山寺の多宝塔壁画があり、まさに日本の古都に相応しい出来映えとなっています。78歳という、短くもなく充実した人生を送って行った石川晴彦。彼の功績は日本が誇るべきものなのでしょう。

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村上華岳の作品が高価で入手できない方が石川晴彦の作品を入手しているという評価は正しくありません。たしかに村上華岳と作風が似ており、華岳の値段とは一桁違いますが、根底に流れる作風はまったく違います。




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羅漢 (阿羅漢):仏教において、尊敬や施しを受けるに相応しい聖者のこと。サンスクリット語"arhat"の主格 "arhan" の音写語。略称して羅漢(らかん)ともいう。漢訳には応供(おうぐ)という意訳もある。釈迦牟尼仏の十号のひとつでもある。元々、インドの宗教一般で「尊敬されるべき修行者」をこのように呼んだ。初期仏教では、修行者の到達し得る最高位をこのように呼ぶ。阿羅漢はそれ自体が修行過程の果得を示す用語である。

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「修行者の到達し得るもの」とは? 人生も同じこと。

人生において本当の大切なものはなにか? それを自覚することから始めなくてはいけないというのが基本のように思います。

お金、地位や名誉、・・そのようなものはまやかしでしかなく、本来はあまり重要度の高くないもの。お金や名誉はそれほど重んじていないと言する人は多いのですが、思いや行動は?? 意外に実際は重んじている人が多いと思います。

人生はひとりでは生きられない、ゆえに家族や愛するものが人生の第一義であろう。亡くしたときにその本当の大切さを痛感するものですが、普段からその大切さに気がついている人、そして常に砂上の楼閣状態と自覚して愛するものとの時間を本当に大切にしている人は意外に少ない。

仕事という蓑を着て生きている人、お金儲けに興じている人はすぐにもむなしい思いに駆られるものです。人間が行く着く場所はお金や地位は無用な世界、愛するものが第一義と本当に自覚した人間は強い。



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