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Channel: 夜噺骨董談義
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紅梅雪鳥之図 鈴木松年筆 その6

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鈴木松年という画家は捕らえどころのない画家です。澄み切った山水画とコミカルな作品が混在し、さらには形式的なつまらない作品も多く描き、どれをもって鈴木松年をとらえていいのやら・・。

紅梅雪鳥之図 鈴木松年筆
絹本水墨着色軸装 軸先木製 合箱
全体サイズ:縦1970*横628 画サイズ:縦1285*横497



同時代の競合する画家たちとは諍いが絶えなかったらしく、特に幸野楳嶺と犬猿の仲はよく知られています。ただし、これは自らの画名を高めるための一種のパフォーマンスと解釈する向きもあるようです。



松年とは比較的仲が良かった岸竹堂が、楳嶺との仲を取り持とうとすると、「交情が悪い方が却って競争になってよい」と言って断ったそうです。



また、ある日楳嶺が和解を申し込んだ際もこれを断っていますが、楳嶺が亡くなった時に真っ先にお悔やみに訪れたのは松年だったという逸話があります。



こうした態度は、松年が「長期庵の展観」と題する随筆で語っているそうで、かつて岸駒がわざと円山応挙の画を酷評して注目を集めて名を上げた、という逸話に倣ったとも考えられています。



松年は同門の今尾景年も牽制し、「友禅の下絵なら景年さんにいくがええ、掛物が欲しいならわしが描いてあげる」と放言していましたが、年長の景年は気にせずただ黙々と絵を描いていたそうです。



当時の日本画壇は活況でお互いに大いにライバル意識があり、腕を磨きあったことが窺えます。



このようなコミカルな作品にも「胡粉を用いた雪の描き方、地を生かした雪の表現」など並々ならぬ力量がみられ、ただならぬ画家と知ることができます。

上村松園との関係も含めて奥が深い画家です。


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