三社託　春日百鹿・八幡百鳩・二見浦朝日図　三幅対　池田孤邨筆　その２

会社で始業前にラジオ体操をしていますが、参加しない社員がいます。就業規則にはないということ、強制ではないということが彼らの言い分でしょう。

現場のものづくりは常に朝早くから始まっていること、その現場を相手にしている社員が現場で常に行なっているラジオ体操をしていないと現場で働く人がどう思うか、またさらには協調性の社員はなにをやっても個人プレーになります。さらにはラジオ体操に参加していてもだらしない態度で体操している社員は仕事もだらしないものです。本人だけがそうではないと思っているだけです。

さて本日は「三社託　春日百鹿・八幡百鳩・二見浦朝日図」の続編です。双幅の掛け軸の作品よりも三幅、四幅となるとそれなりに各々が連動した作品の愉しみがあるものです。

本作品の詳細は以前に紹介した「三社託　春日百鹿・八幡百鳩・二見浦朝日図　その１」を参考にして下さい。

三社託　春日百鹿・八幡百鳩・二見浦朝日図　その２
三幅対　池田孤邨筆
絹本着色軸装　軸先象牙　共箱
全体サイズ：縦1900＊横545　画サイズ：縦1040＊横360



「八幡百鳩」については以前のブログで紹介しましたので省略しております。

春日神社と鹿
武甕槌命（藤原氏守護神）が白鹿に乗ってきたとされることから、鹿を神使としているそうです。



伊勢神宮と二見浦
伊勢神宮のお参りは二見浦からがルールのようです。歪んだような朝陽・・、おそらくわざとまん丸にしなかったのでしょう。実際に日の出は歪んで見えますし・・。



表具はかなり痛んでいますが、いい表具のようです。琳派の流れの作品がうかがい知れますが、全体のデザインがいいですね。



大切に保存するとご利益がありそう・・・　　表具を修復するのにはたいへんそうです。そもそもお金がかかる　　



なんといっても八幡神社、伊勢神宮、春日大社ですから大切にしたいものです。打算的な考えよりも大切なものがある。

個々の作品が連動して全体で愉しませてくれる作品・・、組織も同じ、個プレーではなく組織で仕事をすることで全体が躍動するものです。

月一度の社員の懇親も参加しない社員が多いのですがどうも小生は面白くない！　協調性のない社員は大きなものづくりには向いていないのです。協調性無き者は「切捨て御免」、そういう姿勢がものづくりの現場では基本となります。安全、品質に小さな失敗も許されない現場は厳しいものです。

琳派がどうのこうの、真贋がどうのこうのよりもそんなことを感じさせてくれる作品です。神は現場よりももっと厳しい。