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Channel: 夜噺骨董談義
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葡萄図-9 天龍道人筆 その17

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昨日は仙台、石巻、女川と得意先への挨拶廻りでした。懐かしい人たちに遭えて各々、短い時間でしたが話が弾みました。復興も少しずつですが、着実に前に進んでいます。被災前には決して戻りませんが、大切な人や過去を失った心の傷と同じように少しずつ少しずつ目の前の景色も痛みを伴ながらも和らいでいます。皆がそのために、自分で出来ることを着実にこなしていることに感銘を受けました。

昼は立ち食い風讃岐うどん、夜は仙台駅で念願の牛タン・・、ともに美味かった

本日の作品は天龍道人の作品は17作品目の投稿で、さらに葡萄図は9作品目となりましたが、飽きのこない野趣溢れる作品が多いです。

葡萄図-9 天龍道人筆
紙本水墨軸装 軸先木製塗 合箱
全体サイズ:縦1993*横343 画サイズ:縦1170*横318




賛は「天龍一□□ □□揮毛詠 写□□道□ □□□□□ □□□□□□ 天龍道人□□八十八筆畫 併題書」とあります。



賛が解ると面白いのですが・・。



この署名は漢詩の作者???



天龍道人が88歳の時の作品であることがわかります。




賛の右上には遊印が押印され、賛の左下には「王瑾」、「公瑜」の白文朱方印の累印が押印されています。

 


天龍道人の芸術の極地は葡萄図にあり、とくに本作品の描かれた80歳代より枯淡の素晴らしい作品を遺しています。





箱書から昭和11年に表具が改装されています。時代感もありそのまましたいのですが、痛みもあり改装するか否か悩むところです。全てを新しくすればいいというものではないのは復興と同じかな



文化3年、天龍道人が89歳の時には「蒲桃画則」を刊行して人に教えています。




日常の観察をはじめ、古来の蒲桃画を鑑識し、結局は「皆写以真象」とし、実物の写生から習熟して、葉蔓実各体の描法をあみだした画法と言われています。



自ら三国一を誇称していたようですが、その言葉に違わず、天龍道人の葡萄図は素晴らしいものがあります。鶏の伊藤若冲、葡萄の天龍道人といえましょう。

未来にどういう遺産が遺せるのか、どういうメッセージを伝えられのかというものづくりはは、日常どう考えて仕事をしているのかが大切だというのは復興と共通するものありそうです。

本日は家内の実家に行き、長男の子守ですが、今日もまたあちこちと・・・



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