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Channel: 夜噺骨董談義
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源内焼 その76 三彩唐草文手付小椀付連鉢

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自分の人生は自分で思うよりもはるかに儚いものです。なのにつまらないものに固執するものです。お金、名誉、出世、地位・・・・、肝心なものを見失わないようにしないといけませんね。

本作品を投稿しようしている矢先に、なにやら昨日の「なんでも鑑定団」に源内焼の地図皿が出品されたようです。価格が1000万とか・・・、ありえませんね。発色が良くないものならありますかそれと状態の良い地図皿は珍しいのですが、いくらなんでもそのような値段では・・・、源内焼において地図皿至上という考えは間違っています。文様としては実につまらないもので、他にいいものがたくさんあります。以上は所蔵していない者の負け惜しみ・・・

源内焼 その76 三彩唐草文手付小椀付連鉢
合箱
幅*奥行*高さ125

なお掲載の写真は洗う前と洗った後の写真が混在しています。



源内焼で2個の鉢が繋がった形状の手付の器はよくありますし、1個の器に小碗が付いた手付もよくあります。ただし、本作品のように2個の鉢の連鉢に小碗が付いた作品は非常に珍しく、資料で確認できるものは一作品のみで、型の抜けのよい出来のよい作品はなかなかありません。



このような器を作るのは意外に難しいように思われます。個々を型で抜いて生乾の状態で手早く手付、小碗を付けますがその乾き具合をちゃんと見定めないと焼成の段階でうまく付きません。



器の扱いも手付の部分を持ってはいけません。手付がこの作品の見所ですので、手付の部分を傷めないように取り扱う注意が必要です。



残念ながら本作品も手付の部分に金繕いの補修の跡があります。



この作品は型の抜け、デザインが優れており、飾りを主目的にした源内焼でありながら、実用的にも作られています。



小碗に薬味などを入れて使うとなかなかいい器だと思われます。



西欧的なデザインが中国風の三彩と相俟って、本家本元の中国三彩を上回るデザインとなっています。



唐草文と竹文が粋で洒落ています。



以前にも述べたように源内焼は地図皿のような大きな器がもてはやされていますが、このようなデザインの優れた作品のほうが源内焼の真骨頂だと思います。



ただいつも源内焼で気になるのは黒い汚れです。一見釉薬のように見えますが、保存時に付いた汚れです。よく洗うとこの汚れがきれいに落ちます。



帰宅後、この汚れを丁寧に落としていくと時間の経つのを忘れて没頭してしまいます。



源内焼はすごくきれいな焼き物ですが、保存状態によってものすごく汚れています。



骨董は汚れていて古く見せるものという妄信にとらわれている蒐集家が多いようですが、完璧に陶磁器では間違っています。



いいものは新しく見えるものです。それは人物も同じ・・・。源内焼の保存状態の良いものはテカテカに光っています。



常に新しきものに挑戦する人は儚きことを知らないと思わせるくらい若い。

さ~、源内焼の次はなにの蒐集をしようかな  ただし欲に溺れて肝心なものを見失わないようにしくては・・。




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