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Channel: 夜噺骨董談義
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すすき 堂本印象筆 その4

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神坂雪佳の作品に次いで「かび」シリーズ第二作品?

日本画に限らず、美術品の大敵にシミ、カビがあります。いくら出来の良い作品でもシミやカビのせいで興ざめすることも多々あります。美人画などは顔の部分にシミやカビが発生するととりかえしがつかないと言われています。

湿度の高いところに放置しないことが基本ですが、空調設備がフル回転や自動制御されているならともかく、通常のコレクターでは頭の痛いところです。奥さんに内緒での蒐集では天井裏や押入れ、物置に収納したりするとひどいことになりかねません。軽度のうちは表具師に頼んで修復可能ですが、あくまでも軽度のうちにです。しかも高額な修復料金がかかりますので、頼みにくいものです。

本作品は写真で見たときから、カビの発生が解っており、そのせいもあり廉価で入手できました。ただ、実際に作品をみてみるとカビが額の中で思いのほか成長しており、それを除去しても赤っぽい大きな斑点が残りました。秋の景色なので紅葉・・・? さて染み抜きの修理をしても消えるかどうか? 

すすき 堂本印象筆 その4
絹本着色額装
全体サイズ:縦655*横730 画サイズ:縦450*横530



作品を額から外してみると、額で隠れた部分に「63.8 す々き」とうっすらと読める程度に記されています。1963年の作だとすると72歳頃に描かれた作品でしょうか? 

堂本印章の落款において「恒世印象」は中期の頃の落款(「陶庵印象」は若い頃の作品)となる記されている記事を読んだことがありますが、73歳で中期・・?? 1971年の作品に「恒世印象」の作品があることは確認できていますので、ありえないことはなさそうです。

 

堂本印章について詳細な知識は当方で持ち合わせていないので、真贋はなんとも「かび」同様に厄介ですね。



額を外してみたら作品には意外にも大きなシミがあり、カビが生えていましたので、よほど湿気の高いところで保存されいたようです。

どの点がカビのシミか解らない? 紅葉と同じ色?



堂本印象は年代により画風がかなり違うものをたくさん描いており、これが堂本印象だという画風が定め難い画家です。



共通してあるのはそこはかとないメルヘンチック、ノスタルジックな印象です。

さ~て、染み抜きしてうまく消えるかどうか?



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堂本印象:明治24年生まれ、昭和50年没(1891年~1975年)、享年84歳。本名は三之助。京都生まれ。

京都海が専門学校卒業、西山翠嶂の青甲社の社中、官展を舞台に力作を発表したが、また、四天王寺や高野大塔の如き壁画大作に従事し、さらに思い切った洋画的画風によって問題を提起している。

帝室技芸院、芸術院会員。作品「華厳」は帝国美術院賞を受ける。のち文化勲章受賞となる。

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通風の良い二階の渡り廊下に展示されていますが・・・。



今のうちの愉しむだけ愉しんでおこうかと季節はずれの作品を鑑賞しています。渡り廊下を通るたびにさてどうしようかと・・・

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