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雪景燈籠ニ蛙図 渡辺省亭筆 その10

連休の帰省から土曜日に帰京しましたが、その報告は後ほど・・。十和田湖、弘前などや骨董談義にも夢中になった連休でした。ともかく我が二歳児の息子と遊び呆けてきましたが、息子はタフ、こちらはクタクタ。帰京後の昨日もまた公園やら親戚の家やらに息子はせっせと出かけていきました。義父母が久しぶりのお相手で互いに喜んで相手してくれて助かります。

しばらくは連休前に作成した原稿を投稿させていただきます。

さてお茶の稽古の着物には姿見鏡は必需品。以前にも紹介しましたが、茶室に改修する際して木場の古材買い付けに寄った資材に中にあった鏡を購入しました。置屋さんにあった品とか・・??

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水屋にはだいぶ道具類が備わったきました。立って使う水屋のほうがやはり便利なようです。

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本日の作品は渡辺省亭の作品です。本作品で「その10」となりました。

雪景燈籠ニ蛙図 渡辺省亭筆 その10
絹本水墨淡彩軸装 軸先骨 昇山鑑定 合箱
全体サイズ:縦1930*横640 画サイズ:縦1230*横500

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現在は人気がなく、意外に市場に多くの作品が流通しています。簡素な作品よりも書き込みの良い作品を選ばれるほうがいいと思います。作品によっては出来不出来の差が大きく、出来不出来の観察眼が必要です。贋作は非常に少ないのですが、共箱の作品もまた少ないようです。

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本作品のように、渡辺省亭の作品はどこか日本情緒のある、面白味のある作品が真骨頂のようです。この作品は軸先がとれており、箱も無く、非常に廉価で売られていた作品です。

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雪の降って芭蕉の葉? に苔のむした燈籠、滲みの技法で描かれた竹、そして吉祥図柄の蛙。

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このような作品はあるようでないものです。日本人の心が休まる作品です。

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なぜ人気がないのでしょうか? 多くの作品が行方知れず、海外に代表作が多い、うまいと思う技巧派の作品などが原因に挙げられていますが、いいものはいい。

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福帰る、福替える(福に転じる)・・蛙の表情がいいですね。

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この描き方はやはり巧い。

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最近味のある燈籠が見当たらなくなりましたが、苔のむした燈籠はいいですね。

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表具もきちんとしているものがいいです。本作品もこれ以上放置していたら、ボロボロになっていたでしょう。保存箱を手配しようと思います。

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共箱ということもあり参考にしたカタログで渡辺省亭の価格は20万前後していますが、市場の取引価格は10分の1です。

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日本の生活にもっと掛け軸という文化が帰ってこないかな? という趣旨で本日は「カエル」の作品の紹介でした。

PS.この作品には巻き止めに鑑定した署名があります。明確ではありませんが、渡辺省亭に師事したと記録のある、“幻の画家”と称される「岩井昇山」という画家の署名です。

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この鑑定の署名は非常に貴重かもしれません。渡辺省亭に師事したという証拠になるやもしれませんね。

下記の記事によると“幻の画家”と称される「岩井昇山」としてマスコミに取り上げれると一躍注目を浴びて贋作が横行したそうです。いつものことながら骨董商と称する一部の輩は浅はかなものです。

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岩井 昇山:(いわい しょうざん)旧暦明治3年12月26日(1871年2月15日)~ 昭和28年(1953年1月11日)は、明治から昭和期の日本画家。

旧暦明治3年12月26日(1871年2月15日)、太政官府の役人・岩井秀一の次男として、東京麹町に生まれる。本名は小五郎。成童のころ北派(文晁系)の画家・吉澤雪庵に学び、次いで容斎派の松本楓湖の安雅堂画塾の門人となる(楓湖の浅草栄久町時代、明治10〜25年の弟子)。

晩年の文献には、渡辺省亭に師事したと記載されているものもある。

日本画会、明治画会、帝国絵画協会、巽画会などに所属するものの、画家としての活動記録はほとんど見られず、展覧会出品の記録も明治35(1902)年の第12回「日本絵画協会・日本美術院連合絵画共進会」、大正2(1913)年の「表装競技会」など極めてわずかで、人嫌い、変人、果ては楓湖門破門説などに結びつけられ、“幻の画家”と称される由縁となっている。

大正終わりから昭和始めころには、東京都下谷区(現台東区)から埼玉県寄居町に移り、山水を中心に清澄で透明感のある独自の画風を確立したが、ついに画壇の寵児となることなく、昭和28(1953)年1月11日、同地で没した。享年81。
 
2006年8月25日号の美術誌『Bien(美庵)』Vol.40(藝術出版社)にて、巻頭特集「幻の画家・岩井昇山』として紹介されるや、一躍脚光を浴び、『埼玉新聞』2006年9月14日付でも「謎多き孤高の画家」として大きく紙面を割いて報道した。その後も地元・寄居周辺を中心に展覧会の動きもあり、盛り上がりを見せている。

昇山の名が上がるにつれて、ネットオークションや埼玉など地方において悪質な贋作が出回っているようだ。見つかっているものは、

A.熱で圧着させたシールのような落款を用いている→落款をよく見ると、サインや印章の周囲に不自然な光沢がある等の特徴から判別できる。

B.直接インクを転写するやりかたでサインや落款を入れている→Aのように不自然な光沢は周囲にないが、サインならば墨の色が絵中の墨色と違ったりする(薄かったり青かったり、異質な感がある)ことから判別できる。

近年は、上記AB2点のような判別が困難な、巧妙な落款を施した贋作が確認されている。

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本作品は軸先もとれており、保存箱もなかったので、それらを手配してしばらくは手元に置いておこうと思います。渡辺省亭は今後大いに見直される画家の一人のように思います。

本日は帰省、帰京で「カエル」の作品の紹介でした。(蛙は吉祥の象徴で無事に帰る、福に変えるなど)




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