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Channel: 夜噺骨董談義
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デルフト焼 その4 楼閣文牛型香炉

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息子と義父は茶室の前の縁側が昼寝場所らしい。たしかに風通しもよく、快適のように思えてうらやましい。



本日の作品はデルフト焼? デルフト焼は中国陶磁器や日本陶磁器の模倣品と言えますが、独特の味わいのある作品群です。

デルフト焼 その2 楼閣文牛型香炉
合箱
幅160*奥行*高さ125



デルフト焼は中国陶磁器や日本の有田などの陶磁器の模倣した作品が多く、当然のごとく皿や花瓶といった類の作品が多いようです。



本作品はそういう類の作品と比べてちょっと変わった面白い作品のように思います。



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デルフト焼:17世紀初頭に中国製の染付の磁器がオランダに出回り、品質が高く、大変な人気を博しました。それまでは、イタリアの錫釉陶器のマヨルカ焼きの影響を受けていたデルフト焼きは、中国製品の品質に追いつく為に努力を重ね、産業として大きく成長しました。

18世紀の始めに頂点に達したデルフト焼きは、ヨーロッパ中の人気を集め、デルフト焼きの筆使いは、中国の磁器の絵付けを参考にし、相当高いレベルにまで発達しました。しかしその一方で、マイセン焼きの発祥のきっかけとなった磁器の原料のカオリンがドイツ北部で発見され、磁器生産はドイツの他にフランスやイギリスにも広がり、19世紀半ばには、デルフト市内の焼き物工房のほとんどが姿を消してしまいました。

幸いにも、19世紀半ばにイギリスで始まった産業革命による大量生産は、手作りを基本とする焼き物の世界を終わらせることはありませんでした。作り手の生命の吹き込まれていない焼き物や、その他の工業芸術に対する反発が、奇しくも産業革命発祥の地イギリスで芽生え、「芸術運動」として始まり、1867年に行われたパリ万国博覧会に出品された日本製品のデザインからの影響も受け、手作りの美しさは甦ることとなったのです。

(この運動の影響は日本における柳宗悦、浜田庄司や、バーナード・リーチらの「民芸運動」にも及びました。)

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本ブログにて今までに紹介されたデルフト焼関連の作品は以下の通りです。

デルフト焼 湖図花瓶合箱
幅120*奥行90*口径50*53*高さ200

染付蝶紋ガリポット薬瓶
口径32*胴径195*高台径*高さ255

和蘭デルフト藍画花瓶手皿
古杉箱 
口径231*底径90*高さ40

まともな皿や花瓶はとても日本や中国の作品には敵いませんが、ちょっと変わったものは実に面白い作品があるようです。



もともと骨董というものは、変わったものを集めるもので、同じ窯や同じ作者の作品ばかり集めたり、半一級品を揃えても、小生の経験からもつまらないように思います。



また、いくら一級品とはいえ、藤田喬平のガラス箱、平櫛田中の大黒天、浜田庄司の赤絵などは人気はあり、そこそこの蒐集家は所蔵していますので、面白くもなんともない(たしかに欲しいのは事実ですが・・・)



資金に限りのある小生はちょっと変わった作品に目がいくようです。自滅の道か、浪費の道か・・・



西洋に香炉というのはあるのかな??



香炉には意外に面白い作品が多いものです。



形やアイデアが豊富なようです。ただし、あまり数が多くあっても困りものです。



いつ頃の作品でしょうか?



少しは時代があると思うのは贔屓目でしょうか? 下手物といえばそれまでの作品。



家内曰く「変な牛!」・・、ごもっともなご意見です。週末は縁側で昼寝でもするか

食って寝てばかりいると牛になるぞ!


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