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Channel: 夜噺骨董談義
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くわらんか碗 三点 

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帰省してお出かしない時間は、息子は庭でお遊び、水周りにある蕗に向かって水遊び。



家内の庭での剪定のお手伝い?



維持管理の方々が雑草を刈り取りしたため、庭は徐々に閑散となりつつあります。



それでもシラネアオイは今年も咲いていました。



家内は庭から採ってきた花を玄関に棚に生けました。



本日は「くわらんか碗」の紹介です。

最近、NHKで波佐見焼の特集が放送され、お猪口や「くわらんか碗」が取り上げられました。思い出して帰省した折に棚を覗いてみたら、ずいぶん前に購入した「くわらんか碗」が紙に包まれた状態で見つかりました。



伊万里というと「古伊万里」、「初期伊万里」、「藍九谷」、「柿右衛門手」が代表格ですが、これらの一群の作品は高価になり、そして巧妙な贋作が横行し、「伊万里系統の作品は購入しないほうがいい」とまで言われるようになっているようです。



それ故かどうかは別として、伊万里の真髄は波佐見系統のお猪口、くわらんかにあると思っているのは小生だけではないでしょう。「古伊万里」、「初期伊万里」、「藍九谷」、「柿右衛門手」には遊び心が足りないように思います。

くわらんか碗 三点 
1.草花文    :口径100*高さ53*高台径43
2.丸文 その1 :口径128*高さ58*高台径53
3.丸文 その2 :口径128*高さ60*高台径52

「古伊万里」、「初期伊万里」、「藍九谷」、「柿右衛門手」を蒐集している方には失礼かもしれませんが、こればかり集中して蒐集してもとてもつまらないと思います。どうも肩が凝るアイテムで、せいぜい普段使いの数があれば充分で、とてもお茶席では使えない代物のように思います。もともとがそういうものであったはずでしたから。

********参考記事より****************************

くらわんか碗:江戸時代大阪淀川を往来する三十石船を相手に酒食を提供していた小舟が用いた器からこの名が付けられました。

この小舟は「くらわんか」と叫びながら商いをしていたのがその名の由来です。

しかし、その用いられた器は大阪の産ではありません。遠く佐賀県の有田からもたらされました。おそらく18世紀に入って、有田で磁器の大量生産が始まり、有田周辺にこのような雑器を作る窯ができ、庶民にも磁器を使用できる時代が到来したと言うことでしょう。

磁器に呉須で絵を描きます。庶民が手荒く使っても大丈夫な様に厚手で、かつ大量に作るため、その絵付けは素早く流れるような筆さばきで描かれています。まさに陶磁器の絵付けののびやかさの美を表しています。

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「磁器に呉須で絵を描きます。庶民が手荒く使っても大丈夫な様に厚手で、かつ大量に作るため、その絵付けは素早く流れるような筆さばきで描かれています。まさに陶磁器の絵付けの美を表しています。」という説明はNHKの番組にもありました。

伊万里の「お猪口」、「くわらんか碗」は普段使いのいわゆる下手物ですが、大量生産ゆえの面白味が評価されてのことでしょう。

丸文 その1



ニュウがあります。「くわらんか碗」としては大きめですね。例にもれずぶ厚く丈夫に作られており、大量生産のため重ねて大量に焼かれてました。



染付は実にあっけないくらい簡素です。



丸文 その2



口縁に欠けがあり、小生が補修しました。補修も実にいい加減ですね



骨董市かどこかで、キズモノということもありふたつ揃いで廉価で購入した覚えがあります。以前はたくさん骨董市に並んでおり、お小遣い程度で、からかい気分で買えたものです。



草花文



小さめの碗です。碗というより盃に使う方が多いようです。むろん食器として使うと面白いです。



今ではちょっと高くなりすぎているかも・・。重ね焼きの跡がなく、見込みがきれいですので上手手の部類でしょうか?



丸文と草花文、どちらを好むかは好み次第ですね。なお初期伊万里、古伊万里を含めて茶席で使える抹茶用の茶碗は伊万里では皆無に近いと言われているそうです。


********参考記事より****************************

参考作品 二点のくらわんか碗
丸文                                    草花文

 

*丸文:くらわんかの茶碗のなかでもこの文様は、はっきりいって数は、非常に少ないです。
また、完品などはめったに出会うこともなくなりました。

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「くらわんかの茶碗のなかでもこの丸文様は、はっきりいって数は非常に少ないです。また、完品などはめったに出会うこともなくなりました。」というこの記述ですが、本当かな?

このようなことを見聞きすると欲が出るのが骨董の世界。またお猪口や「くわらんか碗」に異常事態が発生するやもしれませんね。

********参考記事より****************************

有田周辺の窯で大量に生産された「くらわんか碗」ですが、下記の写真は上手の碗で、おそらく有田の旧来からの窯の製品と思いますが、器そして絵付けの繊細さ、線の伸びやかさが魅力で、くらわんか碗とはまた違った美しさがあります。

 

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近年、「くらわんか」の贋作が横行し、非常に巧妙な贋作があるそうです。見分け方としては絵付けにのびやかさがないもの、表面の傷が一定方向のものは贋作と疑うべき作例だそうです。値段が上がると贋作が多くなるようですが、製作元は中国とのこと。

下手物までにも贋作が横行している骨董の世界は異常で、下手物を蒐集している我が身に危険が迫っているように思えます。

「くわばら、くわばら」・・、「くわばら碗」とでも名前を変えたら解りやすい。「お猪口」は「おちょくり」とでも・・。「初期伊万里」は「ショッキング」とか

悪貨は良貨を駆逐する、贋作は真作を駆逐する、古伊万里にはしばし触手を動かさすべからずが正解か?

本日登場の作品も気侭に買ってきた作品ですので氏素性は不明です。「人間万時塞翁が馬」、而して「骨董万物塞翁が馬」と割り切るのが精神状態を平静に保つコツのように思います。。(「人間万時塞翁が馬」の下の句を意外と知らない方が多いようです。その件は後日また・・)、

気侭に庭の剪定するのと骨董も同じです。気の向くまま、時間の許すまま、資金の無理の無いまま、続けて手入れしていれば、お気に入りの愉しめる器もその中にいくつかはあるようなるのでしょう。庭から採ってきた花のように・・・。

PS.
くわらんか碗の撮影用の台に使用してる板は屋久杉です。欄間用として売っていたのを購入しました。さて展示室の廊下の飾り棚に使いたいのだが・・・

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