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地文建水 伝村田整珉鋳? その3

建水でまともな作品は少ないようで、当方もその一人です、なにかいいものはないかと物色しても南蛮焼とか・・・。本日はこんな作品が眼について購入したので紹介します。

地文建水 伝村田整珉鋳
古箱入
口径143*底径*高さ87

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茶道の建水として製作したのではなく仏具でないかもしれません。お値段は2万強程度。

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建水は水を入れて持ち運びしますので、滑りやすかったり、重すぎたり、持ちにくいのは禁物です。

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これは鋳物でも薄く軽く、また文様によって滑りにくくなっています。

底には大日本文化年整珉鋳」と銘がありますが、同じような建水の作品は量産品らしくたくさんあります。ただ銘が不明確であったり、型の抜けのよくない作品が多いようです。鋳物に詳しくない小生の目から見ても、型のよくないもの、後から銘の部分をつけたものなどが多いようです。

この建水の作品は三代村田整珉という記述がありますが詳細は解りません。

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似た文様の鋳物の作品はほかにも二点あります。

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下記の作品は読者からのコメントで「骨董市に村田整珉の作品があるはずがないし、裏の銘が不明確である。」ということでした。

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当方にとっては仏具には興味がなく、他の水盤や仏具などの村田整珉の作品をみても素晴らしいとは思えないので、コメントには反しますがかえってこちらの作品のほうが出来が良いように思えます。

もうひとつは銘のない作品です。やはり銘がないものは型にミスが多いようです。

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明治の頃の鋳物師はそれなりの絵の心得がないといけないようですね。加納夏雄の修行時代の掛け軸の作品がありますが、蒔絵師しかり、職人は今よりも多能であったように思われます。

結論としては本作品は建水にもってこいの作品です・・・・。

参考までに村田整珉についての記事を抜粋して記述しておきます。

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村田整珉:宝暦11年生まれ、天保8年没。初め木村氏、田村家の後見となり、両氏をあわせて村田といい、総次郎と称し、整眠北玉臾と号す。江戸神田の住。多川眠郎の門下で蝋型鋳物に巧みで、江戸の鍋長、初代竜文堂に匹敵する。手法は写実的で、銅器の置物、仏具等を製作する。門人は木村渡雲、栗原貞乗等がいる。代表作は「竜蝋文五具足」。

置物・花瓶・水盤・仏具等、多様な作品を残し、中でも、新宿花園神社の唐獅子一対(文政4年 造立)は代表作、また、仏具一式が国立博物館に展示されている。

彼の名が一躍世に知られたのは、文化12年東照宮二百年忌に際して、将軍家斉及び紀州候より、日光山に進献する幣串の台の製作を命ぜられたことからです。

田川珉武の門人で、鋳金家(蝋型鋳造の名手)として一家を成した。初代整珉(1761年8月13日 生まれ、1837年11月24日 没)の後は、子供が幼かった為、養子で弟子の木村渡雲(岩手県出身)が二代目整珉となり、後に、初代の子(仙次郎)が三代目整珉となる。
辞世の句に、『極楽も地獄もままよ死出の旅ここは追分ちょっと一杯』

『大日本文政年整珉鋳』と銘のある作品と、木村渡雲(二代整珉)の『渡雲鋳』と銘のある作品がある。

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家内曰く「いままでの建水よりはましね。」だと・・・Image may be NSFW.
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権威を重んじる傾向にある仏具とこの手の鋳物の作品は茶道とは相容れないところがあるようです。ともかくこのような分野はマニアックな愛好家が多く、小生の好む分野ではないようです。茶道の窯もそうらしいですが、小生は普段使いの建水で十分・・・。



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