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一路功名 榊原紫峰筆 その3

近くの公園に家内と息子と三人で昼食がてらにお出かけ・・。最初は蓮の枯れた池のほとりを歩きました。そこに鴫?・・・。

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さらに息子が「カワセミ!」と・・・。

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おっと、紅葉を見に来たのですが、来年の干支は酉年でもあり、「こいつは縁起がいいね、来年も良い年になりそうだ。」Image may be NSFW.
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充分に紅葉も楽しむことができました。

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それでは本日は酉(鳥)と縁起つながりで下記の作品を紹介します。

一路功名 榊原紫峰筆 その3
絹本水墨淡彩軸装 軸先蒔絵 共箱二重箱
全体サイズ:縦1860*横380 画サイズ:縦1090*横275

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「立身出世を志して年齢を 経る」という吉祥語句を、1羽の鷺(ろ)と「一路」の 語呂合わせで表現した謎語画題。

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著名な作品には下記の熊斐筆による作品があります。

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一路功名図 熊斐筆
江戸時代、18世紀中頃 神戸市立美術館蔵
斐(1712~72)は本名を神代彦之進(のち甚左衛門)といい、長崎の唐通事(中国語通訳)の家に生まれた。熊斐という名は中国式の呼称。享保16年(1731)長崎へ渡来し、その写実的作風で江戸時代画壇に強い影響を与えた花鳥画家・沈南蘋に直接師事した唯一の日本人。のち多くの弟子を育て、南蘋様式を全国に広めた。款記に「一路功名到白頭之句 繍江熊斐補圖」とあり”ひたすら立身出世を志して年齢を経る”という吉祥語句を、1羽の鷺(ろ)と「一路」、頭上を飛ぶシロガシラと「白頭」の語呂合わせで表現した謎語画題とわかる。画面は中彩色を用いて淡雅に整えられ、「熊斐印」「淇瞻」の2印に「興到筆随」の遊印を捺す。尾張徳川家に伝来した。

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「立身出世を志して年齢を 経る」というのもたいへんなことですが・・・。

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榊原紫峰:明治20年(1887)~昭和46年(1971)京都市中京区に京友禅の染織家の次男として生まれる。明治36年、京都市立美術工芸学校に入学し、竹内栖鳳、山元春挙から伝統的な円山四条派の写生画を学ぶ。42年には新設の京都市立絵画専門学校に編入学し、卒業制作は文展で受賞となる。大正に入ってからは、日本画の革新に情熱を燃やしたが、文展では受け入れられず、土田麦僊らと国画創作協会を結成。その頃、形式よりも内面を追求しはじめ、国展解散以降は自然に深い愛情を表し、清澄にして崇高な画風を創り上げた。晩年は色彩を離れ、水墨画に独自の画境を築いた。

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補足
紫峰は1887年(明治20)京都に生まれ、京都市絵画専門学校で日本画を学び、在学中より文展に入選するなど、早くから頭角を現わしましたが、当時の多くの日本画の旧態然とした作風に飽き足らず、西洋絵画の写実性や桃山期障屏画の装飾性などを研究して新しい日本画を目ざしていました。こうした新しい試みは、然し、保守的な当時の文展では容れられず、紫峰はより自由な発表の場を求めて、1918年(大正7)に、絵画専門学校同期の土田麥僊、小野竹喬、村上華岳らと国画創作協会を結成、その展覧会に「青梅」「赤松」「奈良の森」などの意欲作を、また、宋元花鳥画への憧憬を示す「雪柳白鷺図」「蓮」、動物のリアリティーを内面的に深く掘り下げた「獅子」、澄んで高遠な画境を示す「冬朝」などを発表しました。
紫峰は初期から晩年まで花鳥画一筋の生涯でしたが、最晩年には、古典的水墨画の世界に通じる、ほとんど墨一色による森厳な境地を拓いた。

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他の所蔵作品から

蔦図 榊原紫峰筆
紙本水墨軸装 合箱
全体サイズ:縦1310*横583 画サイズ:縦270*横270

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*本作品は画風と落款の特徴的な形から、昭和10年頃の作例と推察されます。印章と落款は参考例と比較しておきます。

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共箱の落款と印章は下記のとおりです。

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榊原紫峰の作品は資金調達などの理由により手放したこともあり、なかなかその後は縁のない画家でした。

思文閣のカタログに関連する資料がありました。

参考作品
雪中柳鷺図
思文閣墨蹟資料目録 第453号
P46 作品NO22 
評価金額75万
絹本水墨淡彩軸装 共箱二重箱
全体サイズ:縦2160*横570
画サイズ:縦1350*横420

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さすがにいい出来の作品です。

たんたんと整理してきた蒐集作品ですが、そろそろ終焉です。あとはずいぶん前に蒐集した資料の再確認と作品の整理です。お気に入りの作品だけを遺していくことのなりそうです。

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