さて久方ぶりに「影青」と称する器を入手したので投稿します。今回の作品を含めて同様の作品は3作品となりました。他の作品はすでに投稿されていますが、「影青」と称する作品は近代になって模倣された作品も多いので時代の判断は難しいですね。
上記写真の奥の右側が本日紹介する作品となります。
影青刻花碗(鉢) 宋時代 その4
高台内文字在 合箱入
口径189*高さ67*高台径55
影青は見込み一面に刻花があるのは贋作が多く、さらに薄造りで透けて見えるほどの作品も大量に模作されているので極端な薄造りのものもよくない作品があります。現在は焼成方法も技術が進んでいますので、技巧だけに眼を奪われると判断を誤るかもしれません。
箆か櫛でささっと雲とも水の流れとも花ともつかない僅かな文様を勢いよく描いているものがよさそうです。
北宋とは当然言えませんが、南宋くらいあると上等・・。
「北宋時代の青白磁は窯道具の台に乗せて、鞘に入れてひとつずつ焼成するため、高台の裏に窯道具の鉄色の跡がある。」というのが北宋時代の作品の特徴とされますが、模倣品もそれくらいの模倣はしているようですので北宋時代の作とは判断するのは慎重を期したほうがよいでしょう。
南宋と北宋との判別のポイントは「なんでも鑑定団」の説明にあったように「南宋の時代になると大量生産をした。時代がわかるのは、横から見ると形がはんなりとふっくらしている。また、高台がわりと大きく、すべすべしているところ。」という点らしい。南宋時代には大量に生産されたようで現在では発掘品も含めると数多くあり決して貴重品とは言えない作品群になったようです。
きっと発掘品が出回る前は貴重品だったのでしょう。今は数万円程度の取引価格のように推察しています。
透けて見えるほど薄造りで、文様は口縁まで一面にあって、さらに高台内に焼け後のある作品はまず近代の模倣品と当方では判断しています。
*本作品の高台内にはなんらかの文字が記されていますが、このような文字がある作品はときおり見かけます。いったいいつなんのために記されたのかは不明です。
本作品の高台内のように時代を感じさせるものがいいと思いますが・・・。高台脇の釉薬の気泡が不揃いの作品がいいというのも根拠はありませんね。あくまでも時代のあるなしの感覚が重要だと思っています。
前述のようになんでも鑑定団に南宋時代の影青の作品が出品されていましたので参考にしてください。
**********************************************
参考資料
なんでも鑑定団より
2017年10月17日放送
鑑定団による評:評価金額40万円。
13世紀、中国南宋時代の後期に江西省景徳鎮窯で焼成された青白磁。これより古い12世紀前半までの北宋時代の影青が市場にでれば最低でも500万円、高ければ2000万円。ただ、それは数が少ない。
南宋の時代になると大量生産をした。時代がわかるのは、横から見ると形がはんなりとふっくらしている。また、高台がわりと大きく、すべすべしているところ。北宋時代の青白磁は窯道具の台に乗せて、鞘に入れてひとつずつ焼成するため、高台の裏に窯道具の鉄色の跡がある。中を見ると、箆か櫛でささっと雲とも水の流れともつかない文様を描いている。勢いが出て、実に良い文様。薄作なので割れてしまうため、依頼品のような状態の良い青白磁が出るのは極めて少ない。
**********************************************
本ブログでも影青らしき作品をいくつか以前に投稿してます。当方で紹介されている作品は時代があっても南宋時代の作品とするのが無難でしょう。
影青刻花碗(宋時代?) その1
口径182*高さ67
影青刻花輪花皿
合箱入
口径150*高台径450*高さ45
影青刻花碗 その2
合箱入
口径176*高台径59*高さ69
青白磁(影青)刻花文輪花碗 発掘品?
化粧箱入
口径160*高台径49*高さ40
貴重な作品である北宋時代の作品を除き北宋時代の影青が高価な作品だというのは昔話のようですが、魅力的な器であることには相違ありません。菓子や料理のおかずを盛り付けたら愉しいでしょうね。
上記写真の奥の右側が本日紹介する作品となります。
影青刻花碗(鉢) 宋時代 その4
高台内文字在 合箱入
口径189*高さ67*高台径55
影青は見込み一面に刻花があるのは贋作が多く、さらに薄造りで透けて見えるほどの作品も大量に模作されているので極端な薄造りのものもよくない作品があります。現在は焼成方法も技術が進んでいますので、技巧だけに眼を奪われると判断を誤るかもしれません。
箆か櫛でささっと雲とも水の流れとも花ともつかない僅かな文様を勢いよく描いているものがよさそうです。
北宋とは当然言えませんが、南宋くらいあると上等・・。
「北宋時代の青白磁は窯道具の台に乗せて、鞘に入れてひとつずつ焼成するため、高台の裏に窯道具の鉄色の跡がある。」というのが北宋時代の作品の特徴とされますが、模倣品もそれくらいの模倣はしているようですので北宋時代の作とは判断するのは慎重を期したほうがよいでしょう。
南宋と北宋との判別のポイントは「なんでも鑑定団」の説明にあったように「南宋の時代になると大量生産をした。時代がわかるのは、横から見ると形がはんなりとふっくらしている。また、高台がわりと大きく、すべすべしているところ。」という点らしい。南宋時代には大量に生産されたようで現在では発掘品も含めると数多くあり決して貴重品とは言えない作品群になったようです。
きっと発掘品が出回る前は貴重品だったのでしょう。今は数万円程度の取引価格のように推察しています。
透けて見えるほど薄造りで、文様は口縁まで一面にあって、さらに高台内に焼け後のある作品はまず近代の模倣品と当方では判断しています。
*本作品の高台内にはなんらかの文字が記されていますが、このような文字がある作品はときおり見かけます。いったいいつなんのために記されたのかは不明です。
本作品の高台内のように時代を感じさせるものがいいと思いますが・・・。高台脇の釉薬の気泡が不揃いの作品がいいというのも根拠はありませんね。あくまでも時代のあるなしの感覚が重要だと思っています。
前述のようになんでも鑑定団に南宋時代の影青の作品が出品されていましたので参考にしてください。
**********************************************
参考資料
なんでも鑑定団より
2017年10月17日放送
鑑定団による評:評価金額40万円。
13世紀、中国南宋時代の後期に江西省景徳鎮窯で焼成された青白磁。これより古い12世紀前半までの北宋時代の影青が市場にでれば最低でも500万円、高ければ2000万円。ただ、それは数が少ない。
南宋の時代になると大量生産をした。時代がわかるのは、横から見ると形がはんなりとふっくらしている。また、高台がわりと大きく、すべすべしているところ。北宋時代の青白磁は窯道具の台に乗せて、鞘に入れてひとつずつ焼成するため、高台の裏に窯道具の鉄色の跡がある。中を見ると、箆か櫛でささっと雲とも水の流れともつかない文様を描いている。勢いが出て、実に良い文様。薄作なので割れてしまうため、依頼品のような状態の良い青白磁が出るのは極めて少ない。
**********************************************
本ブログでも影青らしき作品をいくつか以前に投稿してます。当方で紹介されている作品は時代があっても南宋時代の作品とするのが無難でしょう。
影青刻花碗(宋時代?) その1
口径182*高さ67
影青刻花輪花皿
合箱入
口径150*高台径450*高さ45
影青刻花碗 その2
合箱入
口径176*高台径59*高さ69
青白磁(影青)刻花文輪花碗 発掘品?
化粧箱入
口径160*高台径49*高さ40
貴重な作品である北宋時代の作品を除き北宋時代の影青が高価な作品だというのは昔話のようですが、魅力的な器であることには相違ありません。菓子や料理のおかずを盛り付けたら愉しいでしょうね。