審美眼を問う・・。浜田庄司の作品は本当に贋作が多い。
箱書きのない作品でも真贋は解るつもりでいました「浜田庄司」の作品ですが、いまだに結論を出せない作品があります。
下記はその例のひとつです。
数茶碗として使われる「縁黒茶碗」です。数多くありますので、そのぶんだけ偽物も多いようです。たいていは作行、箱書きと印章に使われる朱肉で判断できるのですが、そこもかなりきわどく似ています。
縁黒茶碗 その2 伝浜田庄司作
共箱
口径125*高台径60*高さ65
「口縁部の施釉が庄司らしい素朴さがあり、手に持ったときのしっかり感とぬくもりが伝わっくる。」・・・・、言われるとそう思えてくる。
小振りなお茶碗です。といって野点用というほどではありません。
高台がいまいち?? そうここが腑に落ちない一番のポイント・・、土が違う?? 形が違う??? 釉薬の溜りが違う????
縁の景色はよい。
箱書の字が下手、朱肉が少し赤いなど、違和感を覚える・・・・。ただ朱肉の多少赤いのは初期の頃や門窯には存在しますので、即贋作とは言えません。
こちらは正真正銘の浜田庄司の箱書ですが、壮年期以降のもので年代に相違があります。
同時期なら違うといえますが、製作年代が同じ箱書きとは酷似しています。字が下手な箱書は初期の頃にはよくあります。
なんかよさそうな気がしないでもない・・・・。
さて、ブログをご覧の皆さんは本作品は真作か贋作かお分かりになりますか?
ついでにもうひとつの作品です。
塩釉流掛茶碗 浜田庄司作
共箱
口径148*高さ89*高台径80
ここでは「塩釉」について知っていなくてはなりません。
*****************************************
塩釉:15世紀頃にドイツで生まれ、濱田は欧州から帰国した1953年(昭和28)頃から、日本の陶芸家としては初めてこの技法を試み始めたといいます。
塩釉は焼成中に窯の中に岩塩を投げ入れ、それが釉薬同様の効果を生み出すものですが、高温のため色釉としてはコバルト(藍色)、鉄(褐色、黒色)、マンガン(あずき色)などが呈色剤として用いられます。たとえば素地にコバルトを塗っておくと、鮮やかな藍色の発色が得られます。
コバルト釉や灰釉を焼き上げ、火を止めてから食塩を撒くとガス化して艶やかな肌に一変します。焼成は,窯の温度が1200℃くらいに達したとき,窯の中に食塩を投げ込むことによって,食塩の塩化ナトリウムがソーダと塩素に分解され,ソーダは胎土のケイ酸とアルミナと化合し器の表面をガラス質で覆うことになります。
塩釉は、塩素ガスが出たり、塩が窯を痛めるため、普通の窯では何度も焼くことができず、窯を使い捨てのため特別な窯が必要です。塩釉では素地に釉薬は施さず、塩が素地につくことで化学変化が起こり、ガラス化することで独特の肌質が出ます。浜田庄司の技法では一般的に貝殻を置いて焼く「貝積(かいづみ)」により、底には貝殻の跡が付着していることが多いです。
*****************************************
下記の右側の写真は30万程度で売られている「塩釉茶碗」の箱書です。両方ともに字がうますぎる? 左の本作品の朱肉が赤すぎないか?? 本作品の箱書はやはり真似て描かれたものであろうかと思います。
茶碗そのものの出来は非常に良い部類に入ります。
下記は正真正銘の「塩釉茶碗」で高台に貝殻の跡が残っています。
絵刷毛目茶碗 浜田庄司作
共箱
口径121*高さ105*高台60
本作品は残念ながら高台の貝殻の跡はない・・・。
本作品は厳密には「塩釉胴紐流掛茶碗」と称するのでしょう。
下記は正真正銘の「胴紐茶碗」です。
掛合白釉胴紐茶碗 浜田庄司作
共箱
口径107*高さ107*直径107*高台径68
本作品は「掛合釉薬」の塩釉の処置をしたような仕上がりです。
下記もまた正真正銘の「掛合白釉茶碗」です。これだけの資料があっても未だに未熟
掛合白釉茶碗 浜田庄司作
共箱
口径133*高さ88*高台径63
本作品もまた真贋や如何・・・??
当方は中身が本物、箱書きは偽物?? であって欲しいという願望を込めて。
ただいずれにしてもこのような迷うような作品は入手しないことだと反省しています。ネットオークションなどは贋作だらけで、贋作と判明しても返品に応じない人がたくさんいますので要注意です。
エイプイルフールの投稿です・・・。
箱書きのない作品でも真贋は解るつもりでいました「浜田庄司」の作品ですが、いまだに結論を出せない作品があります。
下記はその例のひとつです。
数茶碗として使われる「縁黒茶碗」です。数多くありますので、そのぶんだけ偽物も多いようです。たいていは作行、箱書きと印章に使われる朱肉で判断できるのですが、そこもかなりきわどく似ています。
縁黒茶碗 その2 伝浜田庄司作
共箱
口径125*高台径60*高さ65
「口縁部の施釉が庄司らしい素朴さがあり、手に持ったときのしっかり感とぬくもりが伝わっくる。」・・・・、言われるとそう思えてくる。
小振りなお茶碗です。といって野点用というほどではありません。
高台がいまいち?? そうここが腑に落ちない一番のポイント・・、土が違う?? 形が違う??? 釉薬の溜りが違う????
縁の景色はよい。
箱書の字が下手、朱肉が少し赤いなど、違和感を覚える・・・・。ただ朱肉の多少赤いのは初期の頃や門窯には存在しますので、即贋作とは言えません。
こちらは正真正銘の浜田庄司の箱書ですが、壮年期以降のもので年代に相違があります。
同時期なら違うといえますが、製作年代が同じ箱書きとは酷似しています。字が下手な箱書は初期の頃にはよくあります。
なんかよさそうな気がしないでもない・・・・。
さて、ブログをご覧の皆さんは本作品は真作か贋作かお分かりになりますか?
ついでにもうひとつの作品です。
塩釉流掛茶碗 浜田庄司作
共箱
口径148*高さ89*高台径80
ここでは「塩釉」について知っていなくてはなりません。
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塩釉:15世紀頃にドイツで生まれ、濱田は欧州から帰国した1953年(昭和28)頃から、日本の陶芸家としては初めてこの技法を試み始めたといいます。
塩釉は焼成中に窯の中に岩塩を投げ入れ、それが釉薬同様の効果を生み出すものですが、高温のため色釉としてはコバルト(藍色)、鉄(褐色、黒色)、マンガン(あずき色)などが呈色剤として用いられます。たとえば素地にコバルトを塗っておくと、鮮やかな藍色の発色が得られます。
コバルト釉や灰釉を焼き上げ、火を止めてから食塩を撒くとガス化して艶やかな肌に一変します。焼成は,窯の温度が1200℃くらいに達したとき,窯の中に食塩を投げ込むことによって,食塩の塩化ナトリウムがソーダと塩素に分解され,ソーダは胎土のケイ酸とアルミナと化合し器の表面をガラス質で覆うことになります。
塩釉は、塩素ガスが出たり、塩が窯を痛めるため、普通の窯では何度も焼くことができず、窯を使い捨てのため特別な窯が必要です。塩釉では素地に釉薬は施さず、塩が素地につくことで化学変化が起こり、ガラス化することで独特の肌質が出ます。浜田庄司の技法では一般的に貝殻を置いて焼く「貝積(かいづみ)」により、底には貝殻の跡が付着していることが多いです。
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下記の右側の写真は30万程度で売られている「塩釉茶碗」の箱書です。両方ともに字がうますぎる? 左の本作品の朱肉が赤すぎないか?? 本作品の箱書はやはり真似て描かれたものであろうかと思います。
茶碗そのものの出来は非常に良い部類に入ります。
下記は正真正銘の「塩釉茶碗」で高台に貝殻の跡が残っています。
絵刷毛目茶碗 浜田庄司作
共箱
口径121*高さ105*高台60
本作品は残念ながら高台の貝殻の跡はない・・・。
本作品は厳密には「塩釉胴紐流掛茶碗」と称するのでしょう。
下記は正真正銘の「胴紐茶碗」です。
掛合白釉胴紐茶碗 浜田庄司作
共箱
口径107*高さ107*直径107*高台径68
本作品は「掛合釉薬」の塩釉の処置をしたような仕上がりです。
下記もまた正真正銘の「掛合白釉茶碗」です。これだけの資料があっても未だに未熟
掛合白釉茶碗 浜田庄司作
共箱
口径133*高さ88*高台径63
本作品もまた真贋や如何・・・??
当方は中身が本物、箱書きは偽物?? であって欲しいという願望を込めて。
ただいずれにしてもこのような迷うような作品は入手しないことだと反省しています。ネットオークションなどは贋作だらけで、贋作と判明しても返品に応じない人がたくさんいますので要注意です。
エイプイルフールの投稿です・・・。