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Channel: 夜噺骨董談義
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瀬戸水鳥紋石皿 江戸期

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こんな作品が食卓にならんだら楽しいでしょう。瀬戸の石皿系統の投稿は三作品目ですが、この系統の作品は雑器中の雑器という表現がぴったりな作品群ですが、数はどんどん少なくなっているように思えます。骨董店や骨董市で見かけなくなりました。

瀬戸水鳥紋石皿 江戸期
合箱
口径165*高台径70*高さ25



瀬戸の煮〆皿は江戸末期から瀬戸で大量に作られた雑器中の雑器です。普段使われていたことから傷のある作が多く、本作品のようにほぼ無傷の作品は貴重といえます。丁寧な洗ったらかなりきれいになりました。



石皿の特徴は呉須と鉄で絵付けされていて、もしくはどちらかのみで絵付けされ、皿の縁取りが広く取ってあること、高台が厚めに低めに作ってある事などです。煮〆を盛るのに良い感じなので、煮〆皿とも呼ぶようです。ともかく、多少乱暴に扱っても良い作品です。



大量に作られたが故に、そこに描かれた絵や文字は、手慣れた筆裁きによる無意識の美を表しています。

石皿の名前の由来は、いくつかあるようです。「韓国の石器を思わせる所から、石皿」、「釉薬に長石を使うから、石皿」というような感じらしいです。はっきりした由来は分からないようです。



器に描かれた絵や文字の中では初期伊万里、桃山唐津と並んで第一級のもの」とも評されます。ちょっと高く評価しすぎの感もありますが、的を得ていると思います。

瀬戸の煮〆皿として、石皿、馬の目皿、そして絵皿があり、その代表的な作品が本作品のような石皿です。

本作品は何ともユーモラスで水鳥が鉄釉で生き生きと描かれています。省略の中に絵付けの技を見ます。羽根の部分は文字のようでもあり、なんともよい味わいを醸し出しています。

タップリと掛けられた白釉もまた魅力的で、愛くるしいこの石皿はお気に入りのひとつです。

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