昨日は息子の認印についで、実印作成に浦和まで・・、そのついでに大宮駅前の安楽寺で開催の「中村不折と師友達 正岡子規と夏目漱石」と同時開催の「幕末慶應百五十年展」を観てきました。日曜に朝にNHKで紹介されたこともあり盛況でした。
「中村不折と師友達 正岡子規と夏目漱石」の展示会はもともと中村不折の作品は好きではないのでしたが、正岡子規、夏目漱石という本ブログでも紹介した師友関係による作品は興味深いものでした。
同時開催の「幕末慶應百五十年展」は非常に良い展示作品ばかりです。副島種臣、和宮、奥原晴湖、徳川慶喜、西郷南洲らの幕末の傑作ぞろいでした。
作品を直に見れるというのはいいことです。撮影はオーケーですが、フラッシュはダメですね。
副島種臣の六曲一双の屏風は良い作品でした。
和宮の手紙・・、実に品がある・・。
やはり若い人は少ないですね。それでもこれだけ関心のある人が多いのには改めて掛け軸を見直しました。
さて本日の作品です。
河鍋暁斎の三作品目の投稿です。
もはや市場では真作は見られなくなった河鍋暁斎・・・。
万歳図 河鍋暁斎筆 その3
絹本水墨淡彩 軸先象牙 共箱?
全体サイズ:縦1840*横427 画サイズ:横324*縦1151
「萬歳之図」と題され「三河万歳」に興ずる姿を描いた作品です。
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三河萬歳(みかわまんざい):愛知県の旧三河国地域であった安城市・西尾市・額田郡幸田町に伝わる伝統芸能である。もとは正月の祝福芸だが、現在は季節を問わず慶事の際などにも披露される。1995年(平成7年)12月26日に国の重要無形民俗文化財に指定された。
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基本的には太夫(たゆう)と才蔵(さいぞう)の2人が1組となります。
印章は「牛若丸」(熊本県立美術館蔵)と同じ印章である白文朱方印「如空暁斎」が押印されています。
「牛若丸」には娘・暁翆による箱書きがあり、晩年の作とあります。明治20年代の作と言われています、同時期の作品かもしれません。
珍しく共箱のようですが、残念ながら印章は擦れて判読できません。
「太夫」は風折烏帽子に素襖(素袍)、「才蔵」は侍烏帽子か大黒頭巾に裁着袴(たっつけばかま)という衣装です。「太夫」は手に扇子か舞扇を持ちます。
袖に描かれた株の面白いですね。
今では後継者もなく廃れた芸能ですが、実に愉しそうに描かれています。この絵を飾ると思わず踊りたくなる。
それをこっそり眺めている婦女子・・。
女性の顔と襖絵の対比が面白い。狩野派の画人としての力量がうかがわれます。
襖絵だけでひとつの作品となっています。
女性の顔の描き方からみても有名な「美人観蛙戯図」(個人蔵)に見れるように、暁斎の美人画の中で浮世絵風ではありながら、最も熟達した近代美人の相です。
正月に描かれた作品でしょうか?
以前に投稿しました下記の作品・・、これと同図がなんでも鑑定団に出品されています。なんでも鑑定団に出品された作品は掛け軸を切断しているそうです。
恵比寿・大黒図 河鍋暁斎筆紙本水墨淡彩絹装軸装箱
画サイズ:横320*縦1165
娘の暁翆ともども一門で正月には毎年、おめでたい作品を描いたいたそうです。本作品もその延長上の作品かと思います。ライバルであり、交遊のあった柴田是真の作品もそのようなものでしょう。リンク先の柴田是真との合作はすでに資金確保のために売却されています。
恵比寿大黒図 柴田是真筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先本象牙 合箱二重箱入
全体サイズ:縦1935*横633 画サイズ:縦992*横541
ちなみに河鍋暁斎は酒好きであったらしい。
「中村不折と師友達 正岡子規と夏目漱石」の展示会はもともと中村不折の作品は好きではないのでしたが、正岡子規、夏目漱石という本ブログでも紹介した師友関係による作品は興味深いものでした。
同時開催の「幕末慶應百五十年展」は非常に良い展示作品ばかりです。副島種臣、和宮、奥原晴湖、徳川慶喜、西郷南洲らの幕末の傑作ぞろいでした。
作品を直に見れるというのはいいことです。撮影はオーケーですが、フラッシュはダメですね。
副島種臣の六曲一双の屏風は良い作品でした。
和宮の手紙・・、実に品がある・・。
やはり若い人は少ないですね。それでもこれだけ関心のある人が多いのには改めて掛け軸を見直しました。
さて本日の作品です。
河鍋暁斎の三作品目の投稿です。
もはや市場では真作は見られなくなった河鍋暁斎・・・。
万歳図 河鍋暁斎筆 その3
絹本水墨淡彩 軸先象牙 共箱?
全体サイズ:縦1840*横427 画サイズ:横324*縦1151
「萬歳之図」と題され「三河万歳」に興ずる姿を描いた作品です。
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三河萬歳(みかわまんざい):愛知県の旧三河国地域であった安城市・西尾市・額田郡幸田町に伝わる伝統芸能である。もとは正月の祝福芸だが、現在は季節を問わず慶事の際などにも披露される。1995年(平成7年)12月26日に国の重要無形民俗文化財に指定された。
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基本的には太夫(たゆう)と才蔵(さいぞう)の2人が1組となります。
印章は「牛若丸」(熊本県立美術館蔵)と同じ印章である白文朱方印「如空暁斎」が押印されています。
「牛若丸」には娘・暁翆による箱書きがあり、晩年の作とあります。明治20年代の作と言われています、同時期の作品かもしれません。
珍しく共箱のようですが、残念ながら印章は擦れて判読できません。
「太夫」は風折烏帽子に素襖(素袍)、「才蔵」は侍烏帽子か大黒頭巾に裁着袴(たっつけばかま)という衣装です。「太夫」は手に扇子か舞扇を持ちます。
袖に描かれた株の面白いですね。
今では後継者もなく廃れた芸能ですが、実に愉しそうに描かれています。この絵を飾ると思わず踊りたくなる。
それをこっそり眺めている婦女子・・。
女性の顔と襖絵の対比が面白い。狩野派の画人としての力量がうかがわれます。
襖絵だけでひとつの作品となっています。
女性の顔の描き方からみても有名な「美人観蛙戯図」(個人蔵)に見れるように、暁斎の美人画の中で浮世絵風ではありながら、最も熟達した近代美人の相です。
正月に描かれた作品でしょうか?
以前に投稿しました下記の作品・・、これと同図がなんでも鑑定団に出品されています。なんでも鑑定団に出品された作品は掛け軸を切断しているそうです。
恵比寿・大黒図 河鍋暁斎筆紙本水墨淡彩絹装軸装箱
画サイズ:横320*縦1165
娘の暁翆ともども一門で正月には毎年、おめでたい作品を描いたいたそうです。本作品もその延長上の作品かと思います。ライバルであり、交遊のあった柴田是真の作品もそのようなものでしょう。リンク先の柴田是真との合作はすでに資金確保のために売却されています。
恵比寿大黒図 柴田是真筆
紙本水墨淡彩軸装 軸先本象牙 合箱二重箱入
全体サイズ:縦1935*横633 画サイズ:縦992*横541
ちなみに河鍋暁斎は酒好きであったらしい。