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Channel: 夜噺骨董談義
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修理完了 柿本人麻呂像 伝仁阿弥道八造

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20年以上前に入手した作品で男の隠れ家に放置していた作品ですが、飾るにしては痛みの部分の修繕が粗雑で気になっていた作品です。直せるところ、修繕の依頼先を探していましたが、今まで修繕した作品の出来からここならというところの目星がついたので修繕を依頼しました。

修理完了 柿本人麻呂像 伝仁阿弥道八造
塗古保存箱
幅230*高さ250*奥行き135

本(ノート)の部分がかなり破損しとみえて補修していますが、補修が雑でした。修繕する前の写真が下記のものです。



金繕いの跡もみられますが、破損の部品も足りずなんとか本の形を作ったのでしょう。



ちょっと醜い補修跡ですね。入手時当時は「伝仁阿弥道八造」に正直惹かれましたが、今でも蒐集作品として残っているのは、作品の人物の表情の面白さゆえですね。



修繕後が下記の写真です。修繕費用は2万円也! 高いか安いかは各々の価値観でしょうが、当方は安いものと思っています。



歌を推敲しているで、補修では赤くしていたかもしれませんが、今回はそこまで細かくは直していません。原型は赤くしていた可能性はあるかもしれません。



少なくてもこれで安心して?飾ることができるようになりました。



柿本人麻呂像については歌聖として掛け軸や像の作品が多く、一般に大半の作品が表情の固い(暗い)顔ですが、この作品は愛嬌のある表情の作品となっています。



展示室の廊下に飾っておくと家内も通りしなに思わず声をかけたくなるそうです。



古い塗り箱に収められており、底はくりぬかれて固定できるようになっています。修繕といい、箱の誂えといい前の所蔵者はそれなりに大切にしていたのでしょう。



いつものような手順で収納しますが、このような細工物の作品には念入りに綿を詰めます。



箱が古くて痛みやすい場合は風呂敷で箱を包んでおくのが原則です。古い箱を引っ張り出したり、古い箱の紐だけを持つのは禁物ですから、こういう場合に備えて大きめの風呂敷は日頃から入手しておく必要があります。



仁阿弥道八の真作かどうかはさておき、修理によって当方のお気に入りの作品のひとつとなっています。

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