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Channel: 夜噺骨董談義
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閑日 田中以知庵筆 その5

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「癒しの画家」という表現がぴったりくる画家の一人ですが、知名度は非常に低い画家です。そんな田中以知庵の癒しの作品です。

昨日から郷里でのんびりしています。県立美術館では館長自らの説明での藤田嗣治の作品を鑑賞させていただきました。いいね、秋田。

閑日 田中以知庵筆 その5

紙本水墨淡彩軸装 軸先象牙 共箱
全体サイズ:縦1690*横450 画サイズ:縦800*横300



家内はこの作品を気に入ったようです。



胡粉で表現された山中の花を見ながら、庵住まいの隠居人は何を思うのだろうか?



移りゆく季節を感じながら、時の流れに身を任せている人物を描いた飄逸な世界・・・。



今忘れている日本の本来の国土というものを大切にする心情がひしひしと伝わってくる佳作だと思います。



「国家の基本は農にあり」と言われた時代は遠い過去・・。山は荒れ、田畑も荒れ、住居は空き家となり、人の心も荒んできている現代。



少子高齢化対策とふるさとの創生こそがこれからの日本の未来には大切なことです。



共箱このような作品は大切にしていきたい。

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田中以知庵:日本画家。明治26年(1896)〜昭和33年(1958)。東京生。名は兼次郎、別号に咄哉州・一庵等。上原古年に画の手ほどきを受けたのち松本楓湖に師事し、巽画会・紅児会等で活躍する。速水御舟などともよく交友し1929年には小室翠雲の推薦により日本南画院同人となりその後は同展を中心に日展などでも活躍した。

また、釈宗活禅師に禅を学び1912年には禅号として咄哉(州)を拝受、南画研究と禅修行の為に朝鮮半島に渡るなど求道的な一面をみせ、作品では詩情に溢れた花鳥、風景画を展開、晩年は風景画に独自の画境を拓き、飄逸な絵画世界を展開した。春陽会会友・日本南画院同人・日展審査員。昭和33年(1958)歿、65才。

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下記の作品は箱もなくもったいないので、太巻きにして保存箱をあつらえました。このようなことに労力をかけるのも蒐集する者の務めかもしれません。

清流(仮題) 田中以知庵 絹本着色軸装 軸先象牙 
全体サイズ:縦1440*横653 画サイズ:縦446*横509

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