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Channel: 夜噺骨董談義
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獨釣図 福田豊四郎筆 昭和初期

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本日の作品はインターネットオークションにて2万円弱にて入手した作品です。一見すると福田豊四郎の作品ではないように見えるかもしれませんが、かなり初期の真作と判断できます。
郷里の画家を研究する対象として美的価値より資料的価値の方が高いかもしれません。またこのような作品に愛着を持つ当方は、同郷の画家として蒐集しているならではのこと。落款に「生」を用いて自らの修業時代を示していますが、この頃の郷愁のある代表的な作例です。
*下記の写真は軸装から額装に仕立てたもの・・。


同時期に描いたと推定される所蔵作品と一緒に展示してます。この「蕗二蟹」の作品は以前にブログにて紹介した作品ですが、福田豊四郎が蟹を描いた作品は各々の時期(修業時代・戦前・戦後)の作品を所蔵しており、紹介した作品が3作品目になります。この蟹を描いた作品は郷里の蕗に蟹をえがいた佳作のひとつ・・。
蕗二蟹 福田豊四郎筆下(下記写真左) 和紙本水墨淡彩額装 タトウ+黄袋誂額装:縦444*横475 画サイズ:縦272*横310 


本日紹介する作品は上記の写真よりも少し前の頃に描いた作と推定しています。
獨釣図 福田豊四郎筆 昭和初期絹本水墨淡彩軸装→額装予定 軸先骨 合箱全体サイズ:縦1370*横463 画サイズ:縦275*横360


この作品を描いた時期は、修業時代の京都に在住の頃(大正12年~昭和3年)から東京に出て間もない頃(昭和4年頃まで)に描いたのでしょう。


共箱ではないので詳しくは判断できません。また共箱ではないので額装に改装しています。現代は掛け軸の状態の日本画を鑑賞する場が極端に少なくなりましたし、作品保護からも額装にすることが鑑賞の方策のひとつなのでしょう。


共箱・表具などの誂えから日本画全体の美を鑑賞する審美眼は日本人から失われてつつありますが、額装するにはその表具を廃棄していいかどうかの判断基準をしっかり持っていないと、遺すべきものを廃棄することになりますので、この点はしっかりと留意しておくべきでしょう。安易に額装に改装するのはどうかとも思うところです。


*額はインターネットオークションで気に入ったものを選びましょう。大きな額屋さんでも気に入った額はめったにないものです。じっくりインターネットで選ぶ方いいし、廉価でかつリサイクルになります。マットは新調して画風やサイズに合わせれば大概の額は作品に合います。


上村松園の優品(かなりいい表具)を「額装にしよう。」と安易に思文閣の方が言い出したことがありました。要は売るにはその方が高く売れるという側面からの提言でしたが、当方ではその意見は一蹴しました。良き軸装はそのまま改装しても遺すべきものという判断でした。


さて本作品においては愛嬌のある?人物の描き方が初期の福田豊四郎の作品の特徴を示しています


戦後には望郷の画家と評された福田豊四郎の初期の作です。


落款の「四」の字が平べったいこと、「生」(時に修行時代を意味する)という落款名、印章「豊」(朱文白縦平行線印)が明確なことから前述のように京都で土田麦僊に師事していた頃のかなり初期の作と推定されます。時代的には大正期から昭和初期にかけての作品でしょう。130作品を超える当方の蒐集歴からの判断です。


作品を蒐集して数が揃ってきたら系統立てて整理する必要があります。さらに印章の大きさの比較など実物が手元のあることでしかできない判断ができるようになります。


上記の資料は福田豊四郎の郷里にある小坂郷土記念館からのものです。かなり大雑把な分類ですね。
このような資料は蒐集と共に集まるのであって、作品蒐集にあたって先に美術館巡りや資料蒐集を始めてしまうとかえって無駄になることが多いでしょう。作品に対する感性が伸びる前に知識が邪魔をするので、良き作品を蒐集できなくなる恐れのほうが多いようです。










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