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藤之図 伝斉白石筆 その5

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斉白石の名前は知っている人は多いかと思います。本ブログにも何度か登場しました、「なんでも鑑定団」にも出品されています

近年、その価格は上昇し数百万円を超えることもしばしばです。それゆえに贋作も多く、肉筆と区別不可能なほどの版画もまた横行しています。このような部類の作品も勉強のために購入しています。日本の石刷りの複製画にもこの手のものは存在します。

藤之図 斉白石筆 その5
紙本水墨淡彩軸装 合箱入タトウ付 
全体サイズ:縦2090*横540 画サイズ:横340*縦1080



中国絵画は印刷、版画、弟子による作品など贋作というより模倣品が多いと思います。特に版画は素人では判断がつかないほどのものがあります。弟子のよる模倣作品も贋作とはいえない作品が存在するがゆえに判断が難しい作品群のひとつです。



本作品が白石の真作なら現在100万前後(現在はさらに高い?)の値をつけると思います。落款に「星塘老屋後(后)人白石冩京華」とあり、作風からも晩年の作と推察されます。



京華は「都の美称。花の都。京洛。」で北京のことかと思われます。印章は「阿芝」の朱文白方印、「白石翁」の白文朱方印が押印されています。



表具は中国で製作されたままのようです。

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斉白石:1864 – 1957 中国の画家。湖南省湘潭生まれ。1957年(昭和32年)没、享年94歳。幼名は阿芝、のち璜、字は渭青。別号に老民、木匠等。40歳から全国を行脚し、もちに北京に移り住んだ。石涛や呉晶碩に至る明・清の個性派から多くを学び、草花・虫・蝦などを愛情とユーモアに満ちた画風で描いた。また篆刻は雄渾な作風を備える。北京美術専門学校教授。中国美術家協会主席。人民芸術家の称号を与えられた。



号について:宗族派名纯芝,小名阿芝,名璜,字渭清,号兰亭、濒生,别号白石山人,遂以齐白石名行世;并有齐大、木人、木居士、红豆生、星塘老屋后人、借山翁、借山吟馆主者、寄园、萍翁、寄萍堂主人、龙山社长、三百石印富翁、百树梨花主人等大量笔名与自号



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補足:中国清朝末期から現代の詩人・画家 ・篆刻家。日本語読みは「せいはくせき」だが「さいはくせき」の読みも一般的。英語では"Qi Baishi"と表記。

斉白石は湖南省の貧農の家に生まれた。家計の困窮と病弱により学校には1年に満たない期間しか通えなかった。木工としての腕は極めて優れ、やがて広い地域で評判となる。27歳でようやく本格的に地元の画家について花鳥画、山水画等の画法の勉強を始め、同時期に、詩文も学んだ。30歳で、書法・篆刻も独学した。40歳頃から5回にわたり、中国各地を旅してあらゆる景観を銘記し、同時に全土の優れた伝統芸術を実見して芸術家としての視野を広げた。57歳で、戦乱を避けて北京に移住し、書画に専念する。その後、斉白石は、徐渭の奔放な溌墨、石濤や八大山人のシンプルで深淵な筆さばき、呉昌碩の書法などを吸収して、いわゆる「紅花墨葉」の画風を確立した。



海老、蟹、鶏、蛙などのいきものをシンプルに描くことを好んだ。草花、花鳥、昆虫、山水などを組み合わせ、濃い色彩と自由闊達な水墨を用いて生き生きと描いた。



日本でも知られるようになり、1930年(66歳)にはイサム・ノグチが北京に来て画法を学びに来ている。陳半丁・陳師曽・凌文淵と共に、斉白石は京師四大画家と称された。中国近代絵画の巨匠、歿後50年を迎えるが、彼の絵画に対する評価は近年ますます高まっている。



中国において日本の作品を高値で蒐集する人も多い。白石の絵画は独創的なデザイン感覚において、他者の追随を許さない。誰もが真似できそうで、しかし以前には全く描かれたことのない奇抜なかたちと色彩が堂々とその存在を主張する。まさに現代のグラフィック・アートに通ずる面白さがある。

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斉白石の作品の魅力に魅せられている人もたくさんいます。同じような作品の例を下記に記しますが、落札金額が本当なら異常に高い画家の一人でしょう。

参考作品


斉白石 葡萄熟図(図左): 102×34cm 東京中央オークション 
(落札額:2300万)




斉白石 葡萄図 (図右):  99×34cm 横浜国際オークション 86才作
(落札額: 300万)



落札金額の違いは作品の保存状態が大きく影響しています。

さてそんな夢のような価格はさておいて、斉白石の世界を楽しみましょう。






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