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Channel: 夜噺骨董談義
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波斯古陶 その2 三彩彫紋様鉢

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大切な人を失った時の悲しみは何事にも代えがたいものがあります。周囲の励ましや慰めもありがたいものですが、自分で乗り越えるしかにないのも現実です。震災にしても、病気にしてもその悲しみに変わりはありません。人間、ひとりになった時の空しさや寂しさに耐えきれるほど残念ながら強くはないのです。時間を味方にして、悲しみが和らぐのを待って、また生きなければならないのが人なのです。


それに比して骨董のすごいところのひとつに、人間の寿命を遥かに超えた年月を経て伝わっているということです。

ペルシャ古陶 三彩彫紋様鉢
合箱
口径198*高台径*高さ57



焼成は未熟で脆いのですが、フォルムに力強さがあります。



権力者に媚びることなく、欲もなく、日常に使われた器の素朴さもあります。



おそらく発掘品ですね。発掘されたときに割れたのか、割れて放置されていた作品なのかは判断が漬きかねます。



なんらかの文字が書かれていたり、番号のシールがあったり??? 



こういうもっともらしいのは贋作にも多くあります。はてさて本作品の氏素性や如何・・。



割れた部分を金繕いする・・・という代物ではありませんね。



どっかとテーブルの上に置いて・・、さて何に使おうか  

割れてもなお、脆くてもまた・・・、なにゆえお前は存在するのか?? 骨董に己を重ねて思いを馳せる時に己の小さを感じ入るものです。





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