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Channel: 夜噺骨董談義
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忘れ去られた画家 能楽翁 阪田耕雪筆 その2 

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昨日は取引先のオーナーの写真展へ・・、デジタルになるといろんなことができるようです。そういう点では絵画や陶芸はまだまだです。

本日の作品は阪田耕雪の作品です。知っている人はこれもまたかなり少ないと思われる画家です。

阪田耕雪の「耕」の名は尾形月耕にちなんでいます。能画の研究に専念するようになった画家という点で著名なようです。

以前には下記の作品を投稿したことがあります。

和歌三神図 阪田耕雪筆 
絹本水墨着色 軸先象牙 共箱
全体サイズ:縦2030*横660 画サイズ:縦1280*横510

本日は能画の作品です。

能楽翁 阪田耕雪筆 
絹本水墨着色 軸先象牙 共箱
全体サイズ:縦1950*横380 画サイズ:縦1080*横270




箱書に「昭和八歳初冬」とあることから、亡くなる2年前の作品。

  

翁(おきな)は、能楽の演目のひとつ。別格に扱われる祝言曲です。



最初に翁を演じる正式な番組立てを翁付といい、正月初会や祝賀能などに演じられます。



翁・千歳・三番叟の3人の歌舞からなり、翁役は白色尉、三番叟役は黒色尉という面をつけます。



原則として、翁に続いて同じシテ・地謡・囃子方で脇能を演じる。作品には「亀秀」の朱文白丸長印が押印されています。




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阪田耕雪:明治4年(1871年)〜 昭和10年(1935年))。明治時代の浮世絵師。挿絵画家。尾形月耕の門人。耕雪と号す。

通称は万助。明治4年に金沢に生まれる。弥右衛門町時代(明治15年 〜明治20年)の月耕に師事して浮世絵を学んだ後、大阪に移り住み、大阪毎日新聞社において新聞の挿絵を描いて好評を得た。

明治34年(1901年)に春陽堂から版行された菊池幽芳の小説『己が罪』中編の木版挿絵を担当したことが知られている他、同じく幽芳の小説『乳姉妹』の挿絵も描いている。その後、本格的に日本画家として立ち、南画山水、人物図などを描いている。

大正3年(1914年)に開催された第8回文展に出品した「露」が入選を果たしており、これが唯一の官展出品作であった。また、巽画会の会員になっている。大阪毎日新聞社の退社後には、能画の研究に専念するようになった。大阪城天守閣内の郷土歴史画のうち、豊太閤肖像は天覧の光栄に浴した。昭和10年没、享年65歳。  

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世の中がデジタルのなるとよけいにアナログのありがたみがわかることもありますね。

骨董の世界はまさしくいつまでたってもアナログかな。

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