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Channel: 夜噺骨董談義
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南京赤絵獅子牡丹紋茶入

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昨年末の帰省はまたも義母の車を拝借・・。すでの10年以上経過した車ですが、雪国には抜群ににいいです。同じドイツ車でもベンツ、BMWなどの車など高級でもFRの車を乗り回すのは北国では自殺行為です。



もちろん、雪道用の運転技術も必須ですが・・。男の隠れ家はいつもどおり迎えてくれました。



車庫も完成・・・。実はまだ完成ではなく、ちょっともっと隠家的に・・・。



そして自宅到着・・・。



雪は思いのほかでもなく・・、雪国に来て見たいと思いませんか? ドライバー付き、隠れ家泊まり。



本日の作品は赤絵の茶入です。

南京赤絵獅子牡丹紋茶入
象牙蓋 合箱
口径44*最大胴径80*底径55*高さ98


 
中国の明末の天啓年間(1621‐27)から清初にかけて「天啓赤絵」,「南京赤絵」と呼ばれる粗雑な器皿,福建省あたりでは奔放な絵付の「呉須赤絵」の3種類の赤絵に分類される陶磁器が焼造されました。



これらは日本の茶人たちに愛好され,日本の赤絵の発展に大きな影響を与えました。日本の古九谷もまさに大きな影響を受けた焼き物です。この3種類、特に「天啓赤絵」と「南京赤絵」の判別はまことに難しいように思います。当方は独学ということもあり、ブログを作成しながらの日々研鑽であります。



天啓赤絵は「わりと斬新で大らかな絵柄が多く、絵付けは粗いものの、朱色・緑色・黄色・青色などが使われている。皿の場合は高台は、当時の通例の如く、細砂の付着した砂高台で、高台内には「飛び鉋」の跡が見られ、口縁には「虫食い(素地の収縮率が釉薬のそれを上回るために釉薬が剥離して、虫食い状態になること)」が見られる。一般的には「天啓年製」の銘を伴うが、無銘であれば清朝初期の品である。天啓赤絵は中国にはほとんど遺品がなく、日本にしかみられないことから、日本からの注文品とみなされている。」という特徴あります。



では南京赤絵は「南京赤絵は清朝まで続くが、天啓赤絵が清朝に入らず、同時期の天啓赤絵と南京赤絵の区別は、天啓赤絵は古染付の上に色釉を施し、南京赤絵は色釉だけで彩画した赤絵で有ると分類されますが、例外は勿論有る様です。色絵祥瑞等も含め、少しややこしいですが、それぞれの作風を持っている。」とのこと。



さらには「絵付けには基本的に染付けは用いず、色釉だけで彩色され、その色数も初期は赤、緑、黄と少なく作風はきわめて豪放です。その後、紺青、紫、黒、褐色などの色が増えるとこれらの色数を組み合わせ繊細華麗な作風へ変化しました。



当時の主要な輸出品で西欧諸国に売ったものは壷や花生けや蓋ものなど大作が多い。ところが日本に輸出したものは茶道具あるいは鉢や小皿中皿など食器が多い。デザインも日本人好みの余白を十分とった絵画的な構成になっています。これは南京赤絵の手法です。高台内は車輪高台で、砂付高台。評価は寸法によって大いに違い、辺20センチ程度のものはかなり高価で、辺12センチの同じような皿だと30万円程度になる。」



区別は難しい

ただ「他の古染系、南京赤絵等、明末窯の注文作品よりも圧倒的に数が少なく貴重な作品群です。」ということから天啓赤絵は非常に高価らしい・・。



今までの本ブログでも幾つかの作品を取り上げてきましたが、模倣品を含めて再整理する必要がありそうです。

本日の作品も天啓赤絵か南京赤絵か?? とにかく骨董は日々勉強の連続・・、愉しくてしょうがない 

本作品の魅力は獅子牡丹の可愛らしさ。獅子と牡丹の謂れは本ブログで何度か説明したとおりです



象牙の蓋も味があってよいものですが、サイズが微妙に合わない、また茶入として実際に使ったかどうかは疑問です。



ニュウがあるのが残念と思われる方もおらえるでしょうが、これはなんと釜割れです。



出来損ないを捨てずに商品としたのでしょう。これは味があると・・・。



結論は「南京赤絵」・・。

根拠は昨日手元に届いた思文閣 墨蹟資料目録「和の美」四八七号 P78 掲載NO36
「南京赤絵獅子牡丹文壺」によります。



作品は壺ですが、ほぼ同じ出来と判断していいでしょう。



お値段は45万・・、高すぎますね。本ブログのほうが出来は良い。当方の入手値段は1万強。



このような作品が箱もなく、骨董市に種々雑多と並んでいたら価値がきっと解らないでしょうね。

ただし掘り出し物を求めて絵贋作に騙されて嫌気がさすようでは、骨董をする資格がないように思います。しかし、いつまでも贋作に騙されるような方は骨董をやめたほうが正解です。残念ながらやめたほうがよい方がほぼ99%なのも骨董の世界・・・。



我が家の獅子さんはご機嫌ですね。

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