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Channel: 夜噺骨董談義
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南京赤絵湖畔楼閣文皿

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息子の幸紀は掴み立ちから徐々に自分で歩き始めようとしています。小生の寝巻きに掴まるにはいいのですが、小生の寝巻きのズボンがずり落ちる・・・・




本日は本ブログで数多く投稿されている中国の古赤絵の作品です。古赤絵といって実に多彩な作品群です。その中でもやはり絵付けが最大の見所ですね。絵付けの面白くないもの、時代が若くてすべすべした感覚のある作品は蒐集対象としては面白くないようです。やはり昭和の初期までも茶人が好んだ古赤絵がいいようです。

明南京赤絵湖畔楼閣文皿
合箱
全体サイズ:口径182*高台径93*高さ27



製作時代は明末と推察されます。嘉靖時代の赤絵の影響を受けており、実にのびやかな絵付けの保存状態良い、俗に南京赤絵と称される作品と思われます。年款の無いのが普通の古赤絵であり、清初の作もあると思われますが、出来のよい作品は一般に「明末」に分類されています。本作品は砂付高台を呈しており、また歪みがありますが虫喰いは見らません。



清初に近い製作年代と思われます。貫入が見られことから多少焼きがあまいように見られます。



明代中・後期では官窯よりも民窯の方が活況を呈するようになり、16世紀嘉靖期を中心に焼かれた民窯五彩を我国では「古赤絵」と呼び慣わしています。



共通する特徴は、青花を使わずに赤を主体に文様を描き、緑色と黄色で色付けする手法です。



多くは貿易陶磁として輸出され、中国本土より輸出先で珍重されました。主として東南アジア・日本・中近東に渡っていますが、昭和初期に多量の古赤絵が主としてインドネシアから招来され、けれんみのない自由な絵付けが画家や文人に愛されました。その以後、民窯の赤絵は最盛期を迎えます。



中央部分の絵柄は「楼閣の見える湖畔を舟に二人の漕ぎ手が乗り小さな帆をかけてゆく景色のようです。



湖畔や楼閣の上には雲が流れているようです。 



周囲は花草紋様でしょうか? 下記の参考作品の嘉靖年製と掲載されている作品と図柄が似ています。



中国では重宝されず日本で重宝されたのは赤絵が珍しいとかではなく、洒脱な絵付けや耶蘇な作りが日本人の好みにあったものであって、決して中国や韓国にはない優れた美的感覚です。

参考作品としての下記の作品は少し大きめですが、ゆがみがあり補修跡のある作品です。

赤絵婦女図盤
時代: 明・嘉靖時代 、サイズ: 径 20,5cm × 高さ 4,5cm



同時期に製作されたされた赤絵に分類される作品でも作風がまったく違うものもあります。下記の参考作品は「景徳鎮窯」と記載されていました。明末五彩と分類されるようです。

五彩開光蓮池水禽魚貝文六角皿
時代: 明末時代(17世紀)  サイズ: 口径 21cm×高さ 3.8cm
景徳鎮窯



それと同じ分類に入る?似たような絵付けで本ブログに投稿されているのが下記の作品ですが、天啓赤絵に分類されるかもしれません。構図は非常によく似ています。

楼閣図南京?赤絵八寸輪花皿 その1合箱 高台内「天啓?年製」
口径235*高台径140*高さ46



投稿されているもうひとつの作品も同じ窯かと思われます。

楼閣図南京赤絵八寸輪花皿  その2合箱 高台内「天啓?年製」
口径235*高台径140*高さ46



本作品が「天啓赤絵」? するとかなり珍しい作品のひとつのようですが、「写し」かな? 現在は当方としては「五彩赤絵」・・・???

日本人の美的感覚はまたよちよち歩きから始めたようです。歴史が変わるように時間とともに日本の美的感覚が生まれ変わる時が来るように思えます。決して他国にはない侘びさびの美的感覚をこれからの人々は温故知新として先輩にすがって大いに学ばなくてはいけません。


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