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Channel: 夜噺骨董談義
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指月布袋之図 伝橋本雅邦筆

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すべからくこの世は修行の場、机上の論理だけでも悟れず、真理は遥か遠く、人の心は迷い続けるもの・・。とはいえ思い悩むのも「得」ではなく、楽天過ぎるのも「徳」でもない。生きるということ自体がやたら難しいものらしい。ただし考え続ける者にだけ天は真理を「説く」ものらしい。

指月布袋之図 伝橋本雅邦筆
絹本水墨軸装 軸先蒔絵 合箱
全体サイズ:縦1970*横660 画サイズ:縦1180*横500



指月布袋の意図するところは「月は円満な悟りの境地を、指し示す指は経典を象徴しているが、月が指の遙か彼方、天空にあるように、「不立文字」を説く禅の悟りは経典学習などでは容易に到達できず、厳しい修行を通して獲得するものであることを説いている。」とされています。



幾つか著名な作品がありますが、出光美術館所蔵の仙義梵作「指月布袋画賛」(まだ19歳の学生だった出光佐三氏が、初めて手に入れた絵美術品。売り立てで見て気に入り、父親に頼み込んで買ってもらったという)がユーモラスで最近人気の作品のようです。



机上の論理では心理に到達できないのは世の常、厳しい現場修行を経ないといずれ悟りは得られない。ものづくりの現場でも最近はITとかでとかく現場を軽視しがしがちですが、ものを見て人と話をしないといいものは作れない。



骨董も画像だけでは解らない、ものを手にとって見て、感じてみないようです。たとえば本作品の軸のずっしりした重さは手にとってみないと解らないと同じように・・。



印章などは「五位鷺図」(全体寸法49.5×198.5� 作品寸法31×104.5� 橋本秀邦箱)の印章と同一印章で他の作品と一致しますが、いずれ大家ゆえ「伝」とします。橋本雅邦の落款のある作品は巷に無数に溢れています。もはや文献などの記録に記されている由緒正しき作品意外はなかなか真作と認められない画家の一人です。



畑で採れた金柑を食べながら「ウメが?」と聞くとニコニコして「ウメ~」だと・・。やばい言葉は親爺を真似るようです。
もしかして息子には真実が見えているかも・・・。






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